不動産投資の基礎知識

不動産投資においてエレベーター付き物件はどうなの?

不動産投資をする時に収益物件を購入する段階で「エレベーター有物件」を検討することがあると思います。

ワンルーム投資なのであればエレベーターのランニングコストも管理組合で完了する形になるので、修繕積立金がきちんと回収できているマンションであれば問題ありませんが

アパートやマンションを一棟まるごと購入する場合はエレベーターのメンテナンス費用も全て負担しなくてはいけませんので悩んでしまうオーナーも多いでしょう。

 

今回はエレベーター有物件だとどれくらいの維持費がかかるのか、どのような物件だったらエレベーターがあっても採算がとれるのかということについて解説していきたいと思います。

 

エレベーターの設置基準

 

一定規模以上の建物にはエレベーターの設置義務があります。

この設置義務は

  • 建築基準法
  • 各自治体の条例
  • 高齢者の居住の安定確保に関する法律

などによって定められています。

 

建築基準法では高さ31m以上の建物については非常用エレベーターの設置が義務付けられているので、だいたい10階建て以上ならエレベーターが必要ということになります。

各自治体の条例において、共同住宅の場合は4階以上は設置義務ありとしているところが多く、地域によっては3階建てや2階建て以上としている地域もあります。

また最後の高齢者の居住の安定確保に関する法律ですが、これは高齢者向けの特殊な建物のみへの適用となります。

そのため多くの建物が各自治体の条例のルールに従ってエレベーターを設置しているということになります。

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エレベーターにどれくらいの費用がかかる?

 

ではエレベーターがあることでどれぐらいランニングコストがかかってくるのかということを調べてみましょう。

電気代

 

エレベーターがついている物件だとどうしても毎月の電気代は多少高くなると考えた方が良いです。

と言ってもエレベーター1階分動かすのにかかる電気代は大体0.1円程度らしいです。

どちらかと言うとエレベーターが必要になるくらいの規模のマンションの場合共用部の照明の数なども多くなりますので、そこにかかる電気代の方が高いと考えた方が良いです。

本体の料金

 

エレベーター本体の料金ですが最低でも1000万円程度すると考えておいた方が良いです。

どれぐらいの規格のエレベーターを設置するかにもよりますが安くてもこれぐらいはかかってきます。

中古の物件を購入したはいいけどエレベーターの質が悪く、まるごと交換しなくてはいけなくなったという場合はこれぐらいの料金がかかってきてしまうので、中古物件を購入する時はエレベーターの質についてもきちんと見ておくようにしましょう。

清掃費用

 

清掃には大きく分けて

  • 日常清掃
  • 定期清掃

があります。

日常清掃はゴミを取ったり、エレベーター内にできてしまった蜘蛛の巣を取ったりといったことがメインです。

管理会社などでやってもらうもので一回3000円から4000円程度の設定になっているところが多いです。

定期清掃は半年に一度くらいのペースで行う大規模な戦争で、高圧洗浄などで汚れを落とす清掃になります。

こちらの高圧洗浄などは1平方メートルあたり150円から250円程度で行うことができます。

点検費用

 

エレベーターの点検業務は年1回法令で義務付けられているもので、これを実施しないで事故が起きてしまうとオーナーの過失責任が問われてしまいます。

その場合損害賠償請求の対象などになってしまうので必ず点検を定期的に行うようにしなくてはいけません。

通常であれば月に1回の点検が必要ですが、費用を抑えるのであれば2ヶ月に1回家3ヶ月に1回などにすることも可能です。

 

点検費用ですが、どのような契約内容になっているかによって変わってきます。

メーカー系で契約をしているのか独立型で契約をしているのかによっても変わるのですが、大体1回の点検あたり1台につき3万円から5万円ほどかかると考えておいた方が良いです。

関連記事:マンションの大規模修繕ってどんな内容でいくらくらいかかるの?

 

エレベーター更新工事の種類

 

エレベーターの法定耐用年数は17年です。

これは法定耐用年数なので実際のエレベーターの寿命はもう少し長いですがそれでも25年から30年程度となっており、エレベーターのメーカーでは使われている部品類が25年間は供給するという形になっているので、25年経ったところで部品が無くなってしまうという事態が発生します。

その場合はエレベーターの更新工事を行わなくてはいけません。

 

大きく分けて3種類の更新工事があります。

全撤去

 

すべての機器を全部撤去して入れ替える前撤去の更新工事は最低でも1000万円程度かかるものになります。

工事期間は1ヶ月程度を見ておくと良いでしょう。

撤去費用もかかるので新しく設置するよりもお金がかかります。

重要部大更新

 

機械類の部分をそのまま残して巻き上げ機や制御盤、ロープや籠などを新品に取り替える工事です。

選挙に比べると2〜3週間程度で工事を終えることができるので短いですが費用はやはり1千万円弱かかってきます。

制御系中心の部分更新

 

最小限の部分だけを交換するやり方で工事期間は約一週間程度。

この工事の場合は建築確認申請の必要もありません。

内容にもよりますが費用は500万円前後です。

関連記事:リフォームでぼったくりは多い!修繕費用を適正価格に抑えるコツ

 

エレベーター有でも採算がとれるのはどんな物件?

 

エレベーターがあるというだけでかなり費用がかかってくるということがわかったと思います。

エレベーターが設置されていても採算がとれるような物件というのは

  • 戸数の多いマンモスマンション
  • 都心の一等地などにあって売却を考えている物件
  • キャピタルゲインを考えられる物件

といったところでしょう。

 

エレベーター付きの大規模な物件を持つ場合はそれなりにリスクがあると思いますので初心者にはお勧めできません。

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