売買知識

不動産投資における現金購入をあまりおすすめしない理由

不動産投資をこれから始めようとしている方に「先に借金をして投資をするのが怖い」と相談されることがあります。

日本は特に借金をする、ということに対して嫌悪感を感じている人が多いように思います。

ですが投資の勉強をするとこの借金がいかに大事かということがわかります。

例えば同じ利回り10%だとしても1000万円の投資では年間に100万円しか利益を上げることができません。

しかし1億円投資することができれば年間に1000万円の利益を上げることができるのです。

 

つまりもとでとなる資金がどれだけ多いかということがとても大切なのです。

今回は不動産投資において不動産を現金で購入するメリットとデメリットについて解説していきたいと思います。

 

不動産を現金で購入するメリット

融資がおりにくい物件を購入することができる

 

融資を受けられるのであれば現金ではなく不動産投資ローンで物件を購入する方が良いと思っていますが、現金で購入した方が良いと思う物件ももちろんあります。

それが融資がおりにくい物件です。

最近は特に木造の中古物件なんかは融資をひくのが難しいと言われています。

住宅ローンの場合は融資を受ける本人がどれぐらいの返済能力があるかということだけが注目されますが、不動産投資ローンの場合は、本人の返済能力だけでなく、購入する不動産が不動産事業として収益を上げていくのにふさわしい物件かどうかということも審査されます。

そういった点で耐用年数が短い木造の築古物件はなかなか融資を受けるのが難しいんですね。

それでも利回りが良いのも木造の築古物件なので、どうしても欲しい物件だけれどいう子がなかなかおりないという場合は現金で購入してしまうという手があるわけです。

他にも建築確認が取れていない物件や再建築不可の物件などが融資を受けるのが難しくなりますので、そういった物件の場合は現金で購入した方が良いでしょう。

審査を受けずに欲しい物件を購入することができるのが現金の良さです。

関連記事:不動産投資ローンと住宅ローンの違いとは?

金利が発生しない

 

一括で現金購入してしまえば金利を払う必要がありませんので全体としてかかる費用は少なくなるというのがメリットになるかと思います。

数字で見ると金利はあまり大きく見えないかもしれませんが、不動産となると規模も大きいので金利の支払いも思ったより大きくなりがちです。

そういった金利の負担が一切ないというのは現金の良さです。

月の支払いがない

 

月々の返済がないので、キャッシュフローを考えなくてよいというのも現金支払いのメリットだと言えるでしょう。

空室が続いてしまっても返済があることで利益は出ているのに自己破産に追い込まれるということも不動産投資においてはよくあることです。

しかし現金で一括で購入してしまえば月々の返済はありませんので、心配事は減ると思います。

すぐに購入することができる

 

融資の審査には少なくとも2週間は必要とされており、融資がおりるかどうかによって売買が成立かするかどうかも左右されてしまうので、不動産投資ローンを組んで不動産を購入するとなるとどうしても物件を購入するまでに時間がかかってしまうというのがデメリットです。

決済を一括で行うことによって指値交渉をしやすいというのもあります。

売主からすれば現金がすぐに入ってくるわけですから現金決済の方がありがたいという場合があるのです。

むしろすぐに現金がほしいというわけで不動産を売却しようとしている売主もいますからね。

関連記事:不動産投資における融資で有利になる条件とは?

 

不動産を現金で購入するデメリット

レバレッジ効果が得られない

 

冒頭でお話ししたように現金で一括で物件を購入する場合はレバレッジを効かせることができませんので投資効果は薄くなります。

ローンを組んで不動産を購入するよりも元金を回収するのに長い年月を要するのが現金一括購入なのです。

のんびり長期的にあまり大きな利益を狙わずに不動産投資をするのであればそれも良いかもしれませんが、投資規模を拡大して行って収益を上げていきたいと考えるのであれば現金で購入するのはお勧めできません。

保険や保証を得られない

 

不動産投資ローン組むと死亡時や障害を背負った時に残債の支払いが免除になる団体信用保険などに加入することができます。

現金で一括購入してしまうとすでに決済が全て履行されているのでこういった保険に入ったり保証を受けることはできません。

手持ちの現金で一括返済することによって手元にある現金も急激に少なくなりますから、何か緊急事態が起きた時の対応も難しくなるでしょう。

手元に潤沢な資金があるのであれば良いですが、一生懸命貯金してできた金額をほとんど使って不動産を購入するというようなやり方はお勧めできません。

 

不動産自体も10年に1度は大規模修繕が必要になってくると思っておいた方が良いです。

物件を購入することができれば終わりではなく、維持していくのにもお金がかかるということを念頭に置いておきましょう。

関連記事:不動産投資において団信に入る意味とは?生命保険代わりになる?

モチベーションが上がらない

 

毎月の返済がないことによって逆にモチベーションが上がらないというデメリットもあります。

空室が増えていても返済しなくてはいけないお金がないので、あまり焦らないというケースが多いようです。

心配事があるほうがモチベーションが上がるというのはあるかもしれませんね。

 

投資のスタイルは人それぞれなので自分がどのような投資をしていきたいかということに合わせて考えていくと良いと思います。

ただ、現金で購入した方がいい融資がおりにくい物件だったり、現金購入で大幅に値下げしてもらえるような物件じゃない限りは現金で購入するのはどうかな、と私自身は思っています。

関連記事:木造アパートの融資期間ってどれくらい?

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