ローンにも色々な種類がありますが、金利が安く、住宅ローン控除などの税金面での優遇が多いのが住宅ローン。
不動産投資をする時に、どうにか住宅ローン控除を受けることはできないか?と考える人は多いのではないでしょうか。
基本的には不動産投資用物件を購入する場合に組むのは不動産投資ローンなので、住宅ローンとは内容が異なります。
しかし、不動産投資用物件の購入を住宅ローンで行うこともできるんですね。
今回は不動産投資を行う時に住宅ローンを組む方法や控除について解説していきたいと思います。
不動産投資ローンと住宅ローンの違い
不動産投資用物件を購入するための不動産投資ローンと、
自分が住むための住宅を購入するために組む住宅ローンではまずその目的が大きく異なります。
前者は投資、つまり「ビジネス」ための融資ですが、
後者は自宅という「消費」のためのローンです。
国としては住宅の取得を推奨しているので、金融機関にとって住宅ローンは主力商品の一つです。
金利も低く、手の出しやすいローンですよね。
ちなみに住宅ローンに比べて不動産投資ローンの方が審査は厳しいと言われています。
というのも、住宅ローンの場合は本人の所得からローンの返済を行なっていくので、基本的に本人の所得が安定していれば、物件の資産価値などはあまり関係がないです。
対して不動産投資ローンの場合は、物件の収益性も審査の対象となるんですね。
物件そのものが投資対象として良い物件であるかどうか、ということが審査されます。
ローンを完済するまでに収支のバランスを保てるのかどうか、ということを審査下上で、住宅ローンと同じように本人の年収や勤続年数なども審査されるので、住宅ローンに比べると必然的に厳しくなってしまうのが不動産投資ローンなのです。
不動産投資用物件を購入するのに住宅ローンを使いたい、と考える人が多いのは
そのローン期間の長さにも理由があります。
不動産投資ローンではだいたい15年〜20年ほどのローン期間が一般的ですが、
住宅ローンの場合は低い金利で35年〜50年ほどまで組めるローンがあります。
不動産投資ローンに比べると住宅ローンの方が頭金が少なくて済む、という点もあるでしょう。
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不動産投資物件を住宅ローンで購入する方法
不動産投資物件を購入する場合は、基本的には住宅ローンを組んで購入することはできません。
住宅ローンは自宅用に住宅を購入する場合のみに適用されるローンであり、目的のことなる不動産投資物件の場合は不動産投資ローンが適用されるのが通説だからです。
中には稀な例として住宅ローンが通ってしまうというケースもあるようですが、それが金融機関に判明した時点でローン分の全額返済を求められたり、詐欺罪として訴えられてしまうこともあります。
しかし、こういったリスクを犯さずとも住宅ローンで投資用物件を購入する方法があります。
それは賃貸併用住宅を購入する、という方法です。
賃貸併用住宅とは自宅として構える住居の一部を賃貸として貸し出す住宅様式で、住宅としての役割にプラスした形で賃貸を行うことができるので、
これも立派な不動産投資の方法の一つです。
賃貸併用住宅で住宅ローンを組むためには「床面積の1/2以上を自己居住用にしなくてはいけない」という条件があります。
しかしこの方法であれば、リスクを取る必要なく賃貸併用住宅でも住宅ローンを利用できる場合があるのです。
住宅ローン控除を受ける条件
住宅ローンを組んで物件を購入するメリットとして、住宅ローン控除を受けられる可能性がある、というのが一つあると思います。
しかし住宅ローンを組んだだけでは住宅ローン控除を受けることはできません。
住宅ローン控除を受けるためには以下の条件を満たしている必要があります。
- 登記簿面積に記載されている床面積が50平米以上である
- 総床面積の51%以上が自宅部分である
- 住宅ローンの借入期間が10年以上ある
- 賃貸併用住宅の新築日から6カ月以内に入居し、その年の12月末まで住み続けること
- オーナー様の年収が3000万円以下である
これらの条件を満たしていれば、確定申告を行うことで住宅ローン控除が適用されます。
住宅ローン控除は簡単に説明すると「住宅ローン残高の1%が10年間還付される」という内容になります。
これは物件の規模が大きくなればかなり大きい金額になりますので、利用しない手はありません。
基本的には不動産投資用物件で住宅ローンを組むことはできませんが、賃貸併用住宅であれば住宅ローンを組み、住宅ローン控除を受けることもできますので、
不動産投資を検討している方には一つの選択肢としておすすめです。
金利も低く、控除も受けられる住宅ローンはぜひ活用したいですよね。
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