火災保険は火災以外にも、多くの自然災害などにも対応している保険です。
ただ、申請すればなんでも補償してもらえる、ということではありません。
火災保険の申請を行っても、保険金がおりない、ということはよくあることなのです。
私も物件を複数所有していますが、
築古物件は特に「経年劣化」という判断になり、思ったよりも保険金がおりなかった、ということがありました。
今回は不動産投資を行なっているオーナー向けに、火災保険がおりないケースにはどのようなものがあるのか、解説してみたいと思います。
補償範囲外のケース
そもそも火災保険というのは、加入する保険商品によって保険料も補償範囲も変わるものです。
契約している火災保険の補償範囲に含まれていない内容で火災保険の申請をしても保険金はおりません。
そのため、事故による損壊が起きて「火災保険が使えるかな?」と思ったら、まずは契約している火災保険の補償内容を今一度確認してみることが大切です。
契約内容に関しては保険証券を見れば確認できるようになっています。
web上で確認ができる保険会社もありますし、見当たらない場合は保険会社へ問い合わせをしてみましょう。
保険契約は基本的に契約をするとセットで最初からついてくる主契約の部分と、
オプション的に加入する特約の部分があります。
経年劣化と判断されるケース
私もこのパターンが多いですが、損害が経年劣化によって発生したものであると判断された場合は補償の対象外となります。
火災保険が補償することができるのは不測かつ突発的に起こった損害で、
例えば「経年劣化で雨漏りが起きていたけど、そのまま放置していたら台風がきて屋根が落ちてしまった」というようなケースの場合、経年劣化で発生していた雨漏りに対しての対応がなされていなかったため、補償が受けられない、ということがあります。
築古の物件に関してはどうしても火災保険の保険金がおりにくくなる傾向はあると思います。
経年劣化で不具合が起こっている部分に関して、適切なメンテナンスを日頃行なっておく、ということも大切でしょう。
関連記事:火災保険で雨漏りはなおせる?経年劣化だと適用されない?
故意、重大な過失によるもの、法令違反の場合
契約者や被保険者、その同居親族等の故意・過失による損害に関しては、免責事由にあたり、保険金はおりません。
最近は保険金目当てで虚偽申請を行なったり、わざと建物を傷つけるような行為があり、逮捕者がでることもあります。
またここで言う重大な過失というのは、注意を払っていれば防げた事故、です。
火災保険は不測の事故に対して適用されますので、事故の可能性があらかじめわかっていたのに放置していた、となれば補償はおりません。
例えば入居者の寝たばこで火災が起きた、というようなケースは入居者の過失によるものですので火災保険は適用されないのです。
先述したような、修繕できる箇所を放置していた、というようなケースもこれに当たりますね。
関連記事:火災保険申請代行って違法なの?知っておきたい保険の知識
地震や地震による津波
火災保険は地震にも対応できるイメージがあるかもしれませんが、火災保険と地震保険は別ものです。
地震などによる損害で補償を受けるには、火災保険とセットで契約する地震保険への加入が必要となります。
地震保険は単独で加入することはできず、必ず火災保険とセットでの加入となります。
ちなみに地震が原因となって起こった火災などの補償も地震保険の対象となり、火災保険では対象とはなりません。
日本は地震大国であり、大規模な地震だと民間の保険機関では対処しきれないこともあるため、このように火災保険と地震保険は別ものとなっており、地震が原因となるものは全て地震保険、という考え方ですので注意が必要です。
最近は地震保険不要論なども見かけますが、地震の多い地域で投資をされる際はきちんと検討した方がよいでしょう。
関連記事:不動産投資をする時、地震保険には入った方がいいの?
免責金額以下の損害の場合
免責金額というものの設定がある場合、
発生した損害の修繕が免責金額以下の場合は保険金を受け取ることができません。
少ない金額だと自己負担になる、ということですね。
つまりは細々と火災保険の申請を行うことはできない、ということです。
免責金額には
- フランチャイズ方式
- 免責方式
の2種類があり、フランチャイズ方式の場合は20万円に設定されていることが多く、この金額を下回る場合は保険金は支払われません。
免責方式の場合は、損害額がいくらであっても、免責金額を引いた金額が保険金として支払われます。
火災保険がきちんと自分の所有している物件に合ったものになっているのか、保険スクエアbang!などの一括無料比較サービスを利用して見直してみるのも良いでしょう。