購入検討者
中古の物件を購入しようとして色々と情報を聞いていたら、売主が家を買ったばかりに売ろうとしていることがわかった。何かトラブルがあるんじゃないかと思って不安になる…
こういうケースって割とあると思うんですよね。
私もつい最近物件の購入を考えていた時にあったことです。
実は買ったばかりの家を売る人というのは少なくありません。
もちろんそこにトラブルが隠れている場合もありますが、どんな理由で売ることが多いのか、まとめてみたいと思います。
転勤や離婚などの生活の変化
少し前に私が購入を検討していた物件は、オーナーさんが転勤になるから物件を売りたいとのことでした。
確かにこの理由なら納得ですよね。
あとは離婚をして、結局お互いに別のところに住むことになるから、家を売って現金化して資産を分けたい、というような理由もよくあります。
離婚の場合は、ひとりの収入では住宅ローンが払えなくなる、ということもありますね。
共有名義で住宅ローンを組んでいれば、支払い金額も夫婦二人の収入の合計を見込んだ返済金額に設定していると思われます。
どちらか一方が残って住み続ける場合は二人の収入を見込んで組んでいたローンを一人で支払わなくてはいけなくなり、金額的に難しくて売却せざるを得ないということは実はよくあることです。
さらに、お子さんが生まれたことによって間取りが合わなくなったり、実家の近くに引っ越したい、子供を通わせたい小学校の近くに住みたい、というような理由も聞きますね。
家族が病気になってしまって、近くに引っ越して介護しなくてはいけない、という話もあります。
こういったケースは買主にとっては全く問題にならない売却理由なので、基本的には安心して物件を購入することができると思います。
関連記事:住宅ローンを完済する前に売却したい!残債があるけど離婚するケース
住宅ローンが払えなくなった
離婚によって住宅ローンの返済ができなくなるというケースを先ほどご紹介しましたが、
それ以外にも住宅ローンが払えなくなるケースがあります。
景気が悪くなったことによってお給料が下がったり、職を失う人が増えています。
コロナの影響でこのようなケースが急増しているようなんですね。
さらに、
- 家族の突然の病気
- 子供の進学による教育費
- 介護費用
などの突発的な理由により、ローンの返済ができなくなるパターンもあります。
これらも、物件自体にトラブルが隠れているケースではありませんので、買主にとっては関係がなく、心配せずに購入することができる物件でしょう。
関連記事:投資用マンションを購入するリスクは?買う前に知っておきたい!
不動産に瑕疵がある
例えば雨漏りがあったり、シロアリがいたり、といった不動産そのものに瑕疵(かし)があって、買ったばかりなのに早々に家を売ってしまうということもあります。
瑕疵というのは何かしらの欠陥のことを指す不動産用語で、
こういった物理的瑕疵がある場合は、必ず売却の時にそのことを伝える義務がありますし、その分を考慮して値段が下がるものです。
もしそういった瑕疵があるのにもかかわらず、それを買主に伝えないまま物件を売却して、後からそれが買主側で発覚した場合、
売主は契約不適合責任を問われ、買主は損害賠償の請求をすることが可能です。
以前は瑕疵担保責任という名前だったのですが、2020年4月の民法改正によって契約不適合責任という名前に変わったこの法律では、
「契約内容にちゃんと書いてあるものを売るようにしてね、必要な情報が書かれていないものに関しては契約として不適合だとみなされるよ」という内容が定められています。
つまり、瑕疵があるのにそれを隠して売買契約を交わすことは、法律違反ということになるんですね。
雨漏りやシロアリ被害といった目に見える瑕疵は物理的瑕疵と言われるものですが、その他にも大きく3つの瑕疵があります。
- 法律的瑕疵…建築基準法や都市計画法などの法律に触れるような不具合がある建物。違反建築など。
- 心理的瑕疵…過去に殺人事件が起きていたり、遺体の腐敗があったなど、不安感や嫌悪感を覚える事象
- 環境的瑕疵…周りに嫌悪施設があったり、騒音などの問題
これらは必ず売買契約で伝える義務があって、隠したまま契約して後から発覚すると結局損害賠償になるので、きちんと伝えてくれるはずです。
関連記事:瑕疵担保責任の民法改正で不動産経営はどんな影響を受ける?契約不適合責任とは?
近隣トラブルがある
これが買主にとっては一番怖いケースだと思うのですが、
近隣トラブルがある、というケースです。
特に家族で住んでいたという場合は、近隣住民とトラブルがあったりすると子供に影響するということで家を売ってしまうという考えに至ることは多いです。
しかしこの近隣トラブル、近所でも有名な変な人、みたいなのだったらまだ不動産屋さんも把握しやすいですが、
お隣とのあいだにちょっとしたトラブルがあっただけ、みたいなのは隠されたまま売買になる可能性もあります。
戸建ての場合は特にご近所付き合いが発生しやすいので、こういう部分は気をつけたいところですね。