どうにも空室が埋まらないから、なんとかして付加価値をアップさせなきゃ…そうだ、インターネット使用料を無料にするのはどうだろう?
こんな風に考える人は多いのではないでしょうか。
実際、インターネット使用料無料の単身者向けアパートというのは人気なようで、全国の単身者向け物件の約35%がインターネット無料物件であるという調査結果も出ています。
つまり3件に1件以上は無料インターネットが導入されているということですが、実際のところ本当にこれが空室対策になるのでしょうか?
自分が入居者なら嫌だ…
不動産投資をする時に持たなくてはいけない視点の一つが「自分が入居者の立場だったら」という視点だと思っているのですが、
もし私が入居者だったらインターネット利用料無料のアパートには住みたく無いなと思ってしまいます。
というのも、その昔私はインターネットの光回線を販売するアルバイトをしていたことがあるのですが笑
その時の回線の知識では、アパート一棟で共同回線として契約する場合、インターネット回線の速度が格段に落ちます。
若い世代はこういうことをネットで調べて知っているんだと思うんですよね。
「インターネット使用料無料のお部屋は逆に除外して物件を探す」という人もいるようなのです。
また、共同回線の場合は同時にネットを使っている人の数が多いほど速度が落ちる、なんていうこともあるので、
平日の日中はある程度快適に使えても、夜になって住人が帰宅する時間になると急にネットが遅くなる、なんてこともあるわけです。
私はオンラインで仕事をすることが多く、
こうしたメディアの記事を書くくらいならネットが遅くてもなんとかなりますが、
例えばオンラインで打ち合わせ、なんてシーンでは回線が遅いなんてあり得ないわけです。
正直それでは仕事になりません笑
賃貸物件で利用できる無料のインターネット回線が遅すぎて使えないから別のものを契約しよう…と思っても、
新しく工事が必要だったり工事ができない物件だったりすることもあります。
共同利用用に工事をしている場合は新規の契約を個別ですることができないケースもありますね。
そうなってくると、結局インターネット使用料無料というのがあまり魅力的に思えないのです。
私個人の考えでいうと、インターネット無料、というのはあまり魅力的には思えないんですよね。
もちろんインターネットの回線料って高いですし、本当は払いたくはないものなので、快適に利用できる回線なら無料の方が嬉しいんですけどね笑
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ターゲットによるかも?
インターネットを日常的に使うであろう若い世代にとっては、ネットの回線が遅いというのはあり得ないことに感じると思うのですが、
これがあまりネットに興味がない、所得もあまり高くはないという中高年層だとどうでしょうか。
また少しインターネット無料の意味も変わってくると思います。
例えば私は地方の築古アパートをいくつか所有していますが、
地方の築古アパートとなるとかなりのボロ物件も多く、生活保護受給者の方の受け入れなんかも行っています。
そういう方の場合はお仕事なんかでネットを使うこともないですし、インターネット無料というのは魅力的に映るのではないかなと思いますね。
逆に若い世代は、スマホのパケ放題を利用してテザリングでパソコンも使う、といった使い方をされている方もいらっしゃるようです。
私も出先ではテザリングでパソコンを使いますが、意外となんとかなるものなんですよね。
これは電波状況が比較的安定している都心だからできることなのかもしれませんが。
これらを踏まえて、物件がどの層をターゲットにしているのか、というところからインターネット使用料無料という条件をつけるかどうか、を検討してみてもいいかもしれません。
また、エリアの競合物件がどうしているか、ということも影響してくると思います。
競合物件のほとんどがインターネット無料としているのに、所有物件でインターネット無料をやっていないとなると、
家賃を少し相場よりも下げないとなかなか入居が決まらないかもしれないですね。
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費用対効果がイマイチ
インターネット回線無料というのは結局「オーナーが入居者の代わりにネット使用料を負担する」ということなわけですが、これがかなりの出費になります。
まず回線引き込み工事で1戸あたり1万円〜2万円。
プロバイダに支払う料金はアパート全体で安くても1.5万円くらいはかかります。
しかも入居者からすると「遅くて使えない回線」になる可能性もある、というなんとも切ない話です笑
そしてこれだけオーナーが負担しても、家賃を5000円以上あげられるわけではない、というのがもっと辛いところですね。
月額5000円出しても家賃はプラス5000円にはできない。
それでも空室が埋まればいいという考えの方もいらっしゃるとは思いますが、そこまでしてインターネット無料という条件をつけるべきなのかな、と私は思ってしまいます。
物件のターゲットに合わせて考えてみるといいかもしれません。
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