不動産投資をしているオーナーはやはり満室経営を目指したいですよね。
空室対策はやはり一番悩むところだと思います。
その中で効果的な対策の一つとして「ペット可」に変更する、というやり方があります。
ペット可の物件に変更することによってどのようなリスクが生まれるのでしょうか?
どういったトラブルを想定したら良いのでしょうか?
ペット可物件の需要
新型コロナウイルスの影響もあり、お家時間が増えたのもあって、近年はペットブームがさらに加速している傾向にあります。
しかしペットを飼っている、あるいはペットを飼いたいと思っている人に対してペット可の物件は非常に限られており、需要と供給バランスはあっていません。
実は2017年の一般社団法人ペットフード協会の発表によると、犬・猫の飼育実態を1844万6000頭とのことでした。これは日本における15歳以下の子供の数である1571万人を大きく上回る数字です。
そのため、空室対策としてペット可の物件に変更する、というのは有効な手段なのです。
ペット可の物件が少ないのもあって、駅から遠い物件だったりシェアハウスでも、ペット可に条件を変更することで空室を埋めることができた、という話もよくあります。
しかしペット可に物件の条件を変更することによるリスクももちろんあります。
空室対策と思ってしたことが思わぬトラブルを招くこともあるのです。
関連記事:空室対策としてのフリーレント!オーナーは何に注意するべき?
ペット可の物件において想定されるトラブル
他の入居者とのトラブル
すでに入居中のお部屋がある共同住宅の場合は、物件の条件を途中からペット可にすることによって、新たなトラブルが生まれる可能性があります。
ペットの鳴き声や足音、臭いなどが気になる人にとっては、急にペット可に条件が変更になったらトラブルになるのは目に見えています。
既存入居者にペット可物件にすることについても理解を得られるようなルール作りや配慮が必要になります。
退去時のトラブル
ペット不可の物件に比べると、やはりペット可の物件の場合は退去時にトラブルになることが多いです。
一般的なクリーニングだけではお部屋を十分に綺麗にすることができず、修繕費用が多くかかってしまうケースが多くなるからなのですが、
例えばネコの場合はよく壁や柱などに体をこすりつける動作をしていると思いますが、あれは自分の臭いをつけているからなのだそうです。
あまり体臭があるわけではありませんが、人によってはその臭いが気になる、という場合もあります。
臭いに関しては、しっかりとしたクリーニングを行わないと取りきれない場合もありますので、原状回復費用がかさみます。
ペット可に変更する前に
空室対策として物件をペット可に変更する時に、事前に行っておくべきことを解説します。
既存入居者への対策をしよう
まずは既存入居者にペット可物件に変更することのアンケート調査などを実施し、その後、同意の書面を交わしておくと良いです。
ペット飼育のルール(ペット規約)も別に作成し、「共用部ではペットは抱きかかえて移動する」などのルールを作っておくことで、既存入居者とのトラブルをなるべく回避することもできますし、物件の劣化も防ぐことができるでしょう。
ただもちろん区分所有マンションに関してはマンションの管理規約にペット不可の条件があれば、オーナーの独断でペット可にすることはできないので注意が必要です。
退去時の費用についても契約書に明記する
ペットと一緒に暮らす入居者には退去時の費用についても契約書にしっかりとルールを明記するようにしましょう。
賃貸借契約にクリーニング費用などを金額を具体的に明記した上で特約をつけているオーナーが多いです。
原状回復の内容についても明記しておくと良いでしょう。
ペットの状態や飼育状況の確認も忘れずに
ペットの状態や、飼育状況を入居審査の段階で見ておくことも大切です。
例えば出張や旅行に出ている時にペットをどのようにお世話するのか、ということもきちんと聞いているオーナーもいます。
お世話がきちんとできていない入居者を受け入れてしまうことでトラブルに発展することもあります。
ペットと共存するためのお部屋のリフォーム
ペットと共存するために、ペット可の物件では下記のようなリフォームをしているところが多いです。
- 傷がつきにくいクロスや防音クロス・シートの導入…犬猫の爪でも傷がつきにくいような素材を使ったリフォーム
- クッションフローリング…安価に張り替えができるだけでなく、足音の騒音防止や犬猫の足にも負担が少ないです
- ペット足洗い場の設置…エントランスなどの共用部に足洗い場を設置することで建物全体をなるべく清潔に保つことができます。
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さまざまな配慮が必要になってくるペット可物件は、需要は確かにあるのですが、管理の手間が増えることは確かです。
そういったところを踏まえた上で、ペット可物件にして本当に良いのか、考えていきましょう。