余らせてしまっている農地を農地転用してアパートを経営したいと思っている人もいると思います。
今回は農地転用してアパート経営を始めるメリットとデメリットについて紹介していきたいと思います。
メリット
安定した収入を得られるようになる
今まで農地だったところは、しっかりと農作物を作って、それを販売しなければ収入は発生しなかった土地ですが
それを農地転用してアパート経営を始めれば定期的な家賃収入が見込めます。
季節などにも関係なく、毎月固定の収入が入ってくるようになるわけですから
これは大きなメリットと言えるでしょう。
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土地に縛られずに生活できるようになる
農地を放ったままにできないので、その場所から引っ越しをしたいのに土地を離れられずにいる、という人もいます。
しかし農地転用してアパート経営を始め、その管理を地元の不動産会社などにお願いしてしまえば
オーナーはその場所に縛られる必要がなくなります。
もちろん定期的に物件を見に行ったり、問題があったら出向かなくてはいけないこともありますが
毎日そこに張り付いていなくてはいけないというものでもないので、
アパート経営をすることによってその場所を離れて生活を送ることができるようになるというメリットもあるんですね。
市街地にある農地は固定資産税が安くなる
一般的に宅地に比べると農地の方が固定資産税は安く設定されているのですが
市街地にある農地に関してはこういった優遇措置がなく、宅地と同じくらいの課税をされている農地があります。
これを「宅地並み課税」という言い方をしたりするのですが
こういった農地にアパートを建てることによって「小規模住宅用地」という括りになり、これによって固定資産税と都市計画税が大幅に安くなります。
もともとは田畑ばかりだった土地なのに、気づいたらどんどん市街地化していて
その中で農地としてまだ残っている、というような農地の場合は
農地転用によって受けられる恩恵が大きい、ということですね。
経費にできるものが増え、節税できる
農地では経費に計上することができなかったようなものでも、アパート経営をすることによって経費として計上することができるようになったりします。
例えばアパート経営にかかってくる
- 手数料
- 広告宣伝費
- 修繕費用
というようなものも経費として計上することができるようになります。
経費として計上することができるものが増えれば、税金がかかってくる所得を下げることができますから
農地転用することによって節税することができるということですね。
アパート経営の場合は車に関係する出費も経費として計上することができます。
関連記事:アパート経営の経費として車関係の出費は計上できる?
デメリット
初期費用がかかる
農地転用の場合はそもそも自分の土地を活用してアパート経営を始めるわけですから土地代がかからないというメリットもありますが
農地転用して、アパート経営を始めるために転用するための費用とアパートの建設費用がかかってしまいます。
これはかなり大きな初期費用がかかってくる、ということですよね。
経営リスクがある
アパート経営というのはアパートが建てば自然と入居者が集まる、というような簡単なものではありません。
その土地に賃貸需要がしっかりあるのか、
新しく引っ越してくる人がいるのかどうか、
農地転用しようとしている土地が住むに当たって良い立地なのかどうか、
ということが入居率にダイレクトに表れてくるものです。
アパート経営は立地が命と言っても過言ではないでしょう。
せっかく農地転用して節税することができるようになっても、初期投資を回収できないようでは意味がありませんから
どれくらいの収益が見込めるのか、ということは事前に調べておかなくてはいけません。
全ての農地が転用できるわけではない
都道府県や市区町村のルールにもよるのですが、農地にもいくつか種類があって
農地転用できない農地というものあります。
宅地として今後使っていこうと考えて色々進めていっていたのに、蓋を開けてみたら農地転用することができない土地だった、ということもあり得ますので、
その土地が農地転用して宅地として使うことができる土地なのかどうか、ということは事前に確認しておかなくてはいけないことです。
農地転用する前に確認したいこと
農地転用する前に確認しておくべき事項としては
- 農地転用できるか
- アパート経営でどれくらい儲けられるか(概算)
です。
農地転用の申請は書類申請を行なってから受理されるまでに2ヶ月以上かかることがありますので、
まずは農地転用できるのかどうか、専門家に問い合わせをしてみると良いでしょう。
また、アパート経営でどれくらい収入が見込めるのか、ということもシミュレーションしておきましょう。
そのためには、農地がある土地がどのような土地なのか調べ、
今後将来的にどのような発展をしていくのか、ということをイメージしていくことも大切です。
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