現状はサラリーマンとして働いているけど、ゆくゆくは不動産投資だけで専業大家としてやっていきたい、という夢を持っている方もいると思います。
最近は「FIRE」という言葉も流行って、ますます早期退職に興味を持っている人が増えた気もします。
専業大家になるためにはどれくらいの規模で投資をしていけば良いのでしょうか?
実際に大家業をしながら感じていることについてお話ししていきたいと思います。
不動産投資は不労所得ではないということ
まず先にお話ししておきたいのが、不動産投資は決して不労所得ではない、ということです。
不動産を賃貸に出すことによって自分が働かなくても勝手に家賃収入が得られる、というような謳い文句をよく目にします。
しかし不動産投資もやることはたくさんあります。
管理会社に管理委託をするとしても、購入する収益不動産は自分で探し出さなくてはいけません。
これがかなり骨の折れる作業で、毎日欠かさず新着物件をチェックしなくてはいけないですし、良さげな物件があればすぐ問い合わせ、内容を聞いた上でさらに良さげならすぐに現地に出向いて物件を見てみて、良ければ買付申し込み、という流れになります。
ここでもたもたしているとすぐに他のオーナーに先を越されてしまうんですね。
かといって急ぎすぎて、条件にいろいろ目を瞑ってしまい、あまり良くない物件を購入して失敗する、ということだってあります。
管理会社の方とも良い関係性を築いていかなくてはいけないですし、定期的に物件は現地まで見に行った方がいいです。
トラブルが起きるのも日常茶飯事。こちらのスケジュールは関係なく電話が鳴ります。
一般的なサラリーマンとは違って、毎日オフィスに通って仕事をする、というのとはもちろん異なりますが、それでと寝て待っていればお金が入ってくるというわけではないので、専業大家でもやることはたくさんあるし、それなりに忙しいということは先にお伝えしておきたいです。
関連記事:不動産投資は不労所得じゃない!オーナーのやらなくてはいけないこと
一つの物件で専業大家になるのは難しい
サラリーマンとして働くのが嫌で不動産投資を始めようとする方も多いのですが、そういった方は早くサラリーマンを辞めたくて仕方がないようで、
とりあえず一つ不動産を購入したら、もう仕事を辞めてしまおう、とする方がいます。
多分自分が家賃を払っていた時の感覚で考えてしまうのではないかなと感じます。
自分が支払っていた家賃と同じくらいの家賃が毎日入ってくるなら、仕事を辞めても大丈夫かもしれない…?と都心に住んでる人は思うんでしょうね。
実際にはワンルームマンション投資くらいで専業大家にはなれません。
というのも、お部屋が一つしかない場合は、空室になれば家賃収入がゼロになります。
また不動産投資ローンを組んで不動産投資をしているなら、毎月のローン返済がありますから、結局家賃収入はローン返済にあてなくてはいけなくなるのです。
そして不動産投資にはローン返済以外のランニングコストもかかってきます。
突然修繕が必要になることもあるでしょうし、不動産を取得した時にかかる不動産取得税、不動産を持っているだけで毎年かかってくる固定資産税などの税金もあります。
火災保険などの保険料もかかりますね。
そう考えると、不動産さえ買ってしまえばあとは家賃収入が入ってくるだけ…というような簡単な話ではないんですよね。
関連記事:不動産投資のランニングコストにはどんなものがある?
専業大家になるにはどれくらい稼げばいい?
では専業大家としてやっていくためにはどれくらい稼げればいいのでしょうか?
よく言われる「法人化のボーダー」は年商800万円。
利回りが10%だとして考えると8000万円規模の不動産に投資する必要があります。
もちろん一つの不動産である必要はありません。全体利回りが10%となるように、複数の不動産を購入して、全体規模が8000万円くらいになればいい、ということです。
これは法人化するボーダーの一例なので、逆に年商いくらくらい稼げればいいか、年間にどれくらいのお金があれば自分が理想とする生活が送れるのか、ということを考えてみるといいでしょう。
例えば自由になるお金が月に20万円あればいいな、と考えるのであれば、会社的に言えばそれは手取り20万円ですから、売上としてはもう少し欲しいところです。
健康保険や各種税金なども個人でやるなら自分ではらっていかなくてはいけないので30万円以上は売り上げが欲しいところですね。
仮に月30万円だとしたら年間だと360万円。
しかし先ほどもお話したように物件を持っているだけでもランニングコストがかかります。
そういったことを一度計算してみると良いのではないでしょうか。
どのような地域で投資するかによっても物件の利回りなどが変わってくるので、いろいろな地域でどれくらいの利回りの物件が出回っているのか、ということを調べてみるのも参考になるとおもいます。