不動産管理

アパート経営時に知っておきたい水道メーターの種類

地方の築古アパートを中心に、戸建てや区分マンションにも投資をしています。

不動産投資歴は10年を超えました。

築古のアパートを見ていると、「家賃に水道代込み」という物件をたまに見かけますよね。

これはアパート経営をするオーナー側からするとちょっと大変なことなのです。

今回はアパート経営をする時に知っておきたい水道メーターの種類や仕組みについて、解説してみたいと思います。

水道メーターには公設と私設がある

まず知っておきたいのが、水道メーターには公設のものと私設のものがあるということです。

水道局が設置する水道メーターが公設、オーナーが自身で設置するメーターが私設です。

公設メーターは各戸に水道局が設置してくれるので、検針から入居者への請求までの徴収管理やメーターの交換を水道局が負担してくれます。

一方、一定基準を満たした建物でなければ設置できないことと、各戸に水道加入金が必要なことがデメリットとなります。

それに対して、私設メーターの場合は、設置に基準が設けられておらず、各戸の水道加入金も払わなくて良いです。

ですが、検針の際は入居者へ請求をオーナーが検針して行わなければなりません。

関連記事:賃貸物件で水漏れ!水道代は誰が負担するの?

水道料金の徴収方法は2種類ある

アパートなどの集合住宅では、水道料金の徴収方法が2種類あります。

一括でメーターで計算し、その料金をまとめて徴収する方法と、各戸ごとに設置された水道メーターを計測し、それに基づいて徴収する方法です。

一括検針

一括検針では、集合住宅に設置された1つのメーターを計測し、それをもとに水道料金を徴収する仕組みです。

水道局から各入居者に明細が届くわけではなく、オーナーや管理会社もとに、一括料金の明細が届くようになっており、どのお部屋がどれくらいの水道を使ったのか、ということは分かりません。

この場合はそもそもメーターが1つしかなく、それぞれの部屋の水道料金は分からないので、水道代を1部屋2000円、といった形で設定して、家賃と一緒に徴収することになるのです。

この、集合住宅に設置されているもとのメーターは親メーターとも呼ばれます。

一括検針でも、各戸に私設のメーターが設置されている場合は、それぞれのお部屋のメーターをオーナー自身や管理会社が計測して、各戸ごとに請求することができます。

手間は増えますが、それぞれのお部屋での使用料が明確に分かりますので、こういったやり方をしているアパートもありますね。

各戸検針

各戸ごとに水道料金を徴収するために、それぞれのお部屋に水道局の公設メーターが設置されているのが各戸検針です。

ただし、これらのメーター計測・請求を水道局にやってもらうためには、

  • 住居専用の集合住宅であること
  • 給水装置や受水槽などの設備が工事施工基準に適合していること
  • 各戸ごとに、メーターが設置できる設備環境が整っていること
  • 水道局が師匠なく検針等の業務を行えるようになっている建物であること

こういった条件が満たされていないと、公設のメーターでの検針・各戸への請求、ができないんですね。

つまり、水道代込みの家賃になっているアパートというのは、

  • メーターが一括になっていて1つしかない
  • 私設の各戸メーターはあるが、何かしらの理由で水道局と契約ができない
  • 水道加入金を節約するために各戸メーターを設置せず、固定料金としている

というような理由があることが考えられます。

関連記事:オーナーチェンジ物件は危険?そのリスクを考えてみる

こういう物件は買わないようにしています

地方の築古アパートだと、こういった水道料金固定、という物件をちょくちょく見かけるのですが、私はこういった物件は購入しないようにしています。

大きなトラブルの原因となるのが目に見えているでしょう。

まず、どれだけ水道を使っても固定料金という形にしてしまうと、入居者は水道を使うことに対して抵抗がなくなり、たくさん水道を使うようになると思います。

実際こういった物件を所有されているオーナーさんにお話をうかがうと「大体赤字になっている」という話が多いです…

入居者が使った水道をオーナーが支払うような形になっているのはキツいですよね。

また、水道代込みの部分の固定料金を後から上げるというのも難しいでしょう。

さらに、あまり水道を使わないという入居者からも不満が出ると思います。

他の入居者に比べて水道をあまり使わない人も、一律で同じ料金を支払わなければなりません。

これもまたトラブルを誘発しますよね。

ということで、地方の築古アパートならそれなりに見かける水道料金固定の物件ですが、

私は一つもこういった物件は持っていません。

中には条件を満たせば、水道局と契約し直すことができる物件もあるようですが、その場合は水道加入金がまずかかってしまう、ということと、

今まで水道料金固定としていた入居者をいきなり個別請求にすることはできないので、契約切り替えまでに時間がかかりそう、というところでやはり避けた方が無難かなと考えております。

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