自宅の中で店舗と事務所や作業場などを設けている方も事業者の中には少なくないと思います。
例えば床屋さんなんかは1階で営んでいて2階部分を住居にしているということが多いですよね。
他にも税理士事務所や飲食店などを経営しているけれど同じ建物に住んでいるという人もいるでしょう。
このような自宅兼事務所で営業をしている事業者でも住居用の火災保険を契約することが可能です。
実は店舗用保険には店舗総合保険というものも用意されています。
自宅兼事務所の併用住宅の場合でも一般的な火災保険には入れるのですが、補償範囲が異なるため、この店舗総合保険に加入している事業者も多いです。
ただ、こちらの場合だと少し割高になってしまいます。
自宅兼事務所の場合でも、一般的な火災保険に加入することは可能なので、出費を抑えたい場合はそのようにしても良いでしょう。
ただし火災保険にはいろいろな種類があり、補償内容などは変わってきますので、内容についてはきちんと理解をした上で契約をすることが大切です。
物件種別によって入れる火災保険が違う
火災保険は物件種別によって料金の算出方法が違います。
物件種別は
- 住宅物件
- 一般物件
- 工場物件
- 倉庫物件
の大きく分けて四つに分類されます。
住宅物件と併用物件は通常の火災保険を契約することができますが、自宅兼事務所の併用物件は一般物件に分類されます。
住宅物件は、建物全体を住居用のみに使用している場合のことを指しますので、戸建てやマンションなどの共同住宅で居住用のみに使われている建物は住宅物件に分類されます。
ちなみに住宅物件工場物件倉庫物件以外は全て一般物件となるので、例えば店舗のみに使われている物件やホテル、劇場といったものも一般物件に分類されます。
一般的な住宅物件は多くの人が加入する基本的な保険のため保険料率が1番安く設定されています。
しかし自宅兼事務所の併用住宅の場合は営業活動によるリスクがありますので保険料が少しだけ割高になっています。
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併用住宅の火災保険は高い
併用住宅の火災保険ですが、その保険料は職業の種類によって変わってきます。
職業割増というものがあり、飲食店などの場合は火事のリスクが高くなるため保険料が高くなる場合があります。
こちらは加入する火災保険によっても内容が変わってきますので、加入を検討している火災保険の内容をよく確認するようにしましょう。
店舗保険と火災保険の違い
店舗保険と火災保険ではどちらも起こりうるリスクに備えて保険をかける形になりますが補償内容が大きく異なります。
火災保険よりも店舗保険の方が補償範囲が広くなるんですね。
もちろんその分火災保険より店舗保険の方が料金は高くなります。
店舗保険は基本的に飲食店や小売店などの店舗を構えて行う事業の場合に加入する保険になります。
こちらはどのような営業内容なのかに言って保障内容の保険料も変わりますのでよくよく確認するようにしましょう。
一般的な火災保険は建物や家財道具などの損害を補償してもらうための保険です。
その名前から火事に対する保険だと思われていることが多いですが、実際には
- 水災
- 落雷
- 風災
- ひょう災
- 雪災
- 水濡れ
- 破裂・爆発
- 盗難・強盗
というような様々なリスクに対する保険となっています。
自宅兼事務所の併用住宅の場合は一般的な住宅用の火災保険よりは料金が割高になるものの、
店舗総合保険に加入するよりは料金を抑えることができるでしょう。
一般的な火災保険で補償することができるのは家財で、営業用の什器備品や商品は補償することができないので、
補償範囲を比べてみて、どちらの保険に入るか検討すると良いと思います。
商品を販売したりしているのではなく、自宅を作業場としているだけ、というような場合は住宅用の火災保険でも良いかもしれませんね。
火災保険を経費にすることはできる?
自宅で仕事をしている人は事業で使用する割合に応じて火災保険を経費にすることができます。
ちなみに火災保険以外にも
- 地震保険
- 自動車保険
- 自賠責保険
などの保険料を経費として計上することができます。
もちろん経費にできる保険料はあくまで事業に関わるもののみです。
経費にする場合は全てを経費にするわけではなく、家事按分で経費にするのが一般的です。
自宅兼事務所の場合は、住居のうちどれくらいの割合を事務所として使っているのか、ということを事業主の方で決めるんですね。
もちろん使用面積などを考えてしっかりと理由付けをしないと、税務署から調査が入った時に修正になってしまうことがありますので注意が必要です。
この割合にしたがって火災保険も経費として計上することができる、というわけです。
格好としては住宅用の火災保険に入る形だけれど、
家事按分して経費として計上するする、ということですね。
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火災保険はオプションなども種類があり、すすめられるがままに加入してしまうと後悔するものでもあるので
ぜひ知識をつけて、きちんと補償内容を把握した上で加入するようにしましょう。