不動産投資をするときにしっかりと考えなくてはいけないのがランニングコストについてです。
物件を購入する時に利回り部分を見て購入を決めると思いますが、物件紹介に書かれている利回りというのは表面利回りです。
ランニングコストは考えていない数字ですし、基本的に満室経営時の数字になるので、「物件情報を見て利回りが高いからこれにしよう」とすぐに決めてしまうのはとても危険なことなのです。
そこで不動産投資にどのようなランニングコストがかかってくるのかということをしっかり理解して、大体の実質利回りを計算できるようになっておくことが大切です。
不動産投資においてどのようなランニングコストがかかってくるのかということについて今回は解説していきたいと思います。
税金
固定資産税
固定資産税は不動産を持っている限り毎年かかってくる税金で、不動産の固定資産税評価額の1.4%がかかってきます。
毎年1月1日時点で所有している不動産にかかる税金です。
自治体によっては標準税率よりも税率が引き上げられている場合もあります。
都市計画税
都市計画税は固定資産税と合わせて納める税金で、
不動産の固定資産税評価額の0.3%が納税額となっています。
所得税
不動産投資で得た不動産所得には所得税がかかってきます。
家賃収入から必要経費を引いた上でさらに各種控除などもマイナスした金額が課税所得となります。
金額が大きくなればなるほどかかってくる所得税率が高くなってしまうので、ある程度所得が多くなってきたら法人化を考えた方が良いでしょう。
管理費
マンションやアパートなどを所有して不動産投資を行う場合は、賃貸管理会社と業務委託契約を交わして業務委託で管理をしてもらうことが多いと思います。
オーナー自身で自主管理することもできますが、複数物件を持っていたり、物件の近くに住んでいない場合は自主管理は難しいです。
そのため管理会社に管理を委託するのが一般的ですが、管理の業務は大きく分けて
- PM業務
- BM業務
の二種類があります。
PM業務
PM業務はプロパティマネジメント業務の略で、入居者に関する管理が主な業務になります。
- 入居者募集
- 契約更新・退去手続き
- 賃貸契約締結料
- 賃料の管理
- トラブル・クレーム対応
などです。
入居者募集に関しては管理費とは別に仲介手数料や広告宣伝費(AD)などを管理会社に支払います。
BM業務
BM業務はビルマネジメント・ビルメンテナンス業務の略で、建物に関する業務です。
- 建物の警備・巡回・防犯業務
- 設備の工事や点検管理
- 共用部の清掃業務
- 防災消防・保守管理
など。
管理委託費用は家賃収入の3%から5%程度か相場です。
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修繕費
物件を維持していくための修繕費はもちろん、築年数がある程度経ってくると大規模修繕をしなくてはいけなくなってくることもあります。
この修繕費用を予め予想することができないことで、急な出費になってしまい、キャッシュフローが回らなくなってしまうということがあるので
明確にランニングコストとして算出することは難しいものの、家賃収入の5%から7%程度は修繕費として必要になってくると思っておいた方が良いでしょう。
また物件を購入する時も、中古物件なのであれば、いつ大規模修繕を行ったか、修繕履歴などもチェックしておくのがおすすめです。
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退去費用
入居者が退去する時もお部屋のクリーニングを行わなくてはいけないので退去費用がかかってきます。
ワンルームタイプの場合は8万円前後、ファミリータイプの場合は20万円から30万円前後は入退去に伴って修繕費用がかかってくると思っておいた方が良いでしょう。
長く入居している入居者が退去した時はやはりそのぶんだけ経年劣化が激しいので、修繕費用が高くつくことが多いです。
関連記事:退去時のフローリングのへこみは誰が負担して修繕する?
火災保険料
現在の建物価格の0.1%前後の保険料が年間にかかってくると考えておいた方が良いでしょう。
物件の規模やどこまで補償内容として含むかによって金額が変わってきます。
火災保険の中に地震保険もありますが、ハザードマップなどを確認してその地域がどれくらい災害に弱いかということを把握した上で保険の加入も検討した方が良いと思います。
関連記事:中古物件を購入する時は火災保険に入るべき?加入必須なの?
物件のあるエリアによっても異なるランニングコスト
一通り不動産投資を行う際にかかってくるランニングコストについての解説をしましたが、不動産がどのエリアにあるかによってかかってくるランニングコストが異なります。
例えば東北や北海道などの地域の場合は寒い時期に積雪があるので、それに対してかかってくる費用があるんですね。
設備としてストーブをつけるのが当たり前だったり、除雪作業なども管理会社が別途料金を設定していることもあります。
雪の降る地域は水道管が破裂してしまうというようなこともよくあることです。
そのエリアごとに不動産の地元ルールのようなものがあったりするので、自分があまり詳しくない土地に不動産投資をすることを考えている場合は
地元の不動産業者となるべくコミュニケーションをたくさんしてそういった情報を集めること。
また実際にそのエリアに通って、その地域に実際住むということがどういうことなのかということをイメージできるようになった方が良いでしょう。
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