日本の水道普及率は98%と言われていますが、築古物件だったり地方の物件だったりすると未だに井戸水を使用しているというアパートもあります。
アパートが井戸水があった場合どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか?
井戸水のメリット
水道代が安い
まず井戸水の最大のメリットとして挙げられるのが水道代が安いということです。
水を使うために料金はかからないのでほとんどタダで使うことができるのが井戸水なんですね。
かかる費用といえば、水をくみ上げるポンプを動かすための電気代です。
水道代に比べるとこの電気代は1/20程度の料金になります。
水道の場合は上水道の料金とともに下水道の料金を徴収されるので水を使うだけでかなりの料金がかかってしまうのですが、
井戸水を使っていれば上水道の料金はかからないですし、下水道に井戸水を流さなければ下水道の料金も発生しません。
実際に井戸水を使うことで水道料金が5割から7割ほど安くなったという例もあります。
これは入居者にとっては大きなメリットだと言えるでしょう。
水がカルキ臭くない
通常水道水は消毒のために塩素、つまりカルキが含まれています。
もちろん井戸水にはカルキは含まれていません。
日本の井戸水は良質な軟水が多いので、そのまま飲んでも問題のないものが多いです。
アトピーなどのアレルギーがある方は、井戸水の方が肌に優しく、健康的だと言えるでしょう。
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断水しない
井戸水を使っている場合は水道が断水してしまっても水を使うことができます。
水道管が破裂してしまったりして断水するような事はありません。
災害時にトイレや手洗い用などに活用することもできます。
ただし停電してしまうとポンプを動かすことができないので井戸水を汲み上げることができません。
電気が止まってしまっている場合は井戸水を使えなくなってしまうので注意が必要です。
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井戸水のデメリット
設備にお金がかかる
水道水を使うのに比べて料金が格段に安いという点において、井戸水は大きなメリットがありますが
オーナーからすると出費が多いのが井戸水です。
下水道がないため浄化槽という設備が必要になります。
何もないところから井戸水を使い始める場合は井戸を掘り給水設備なども設置しなくてはいけません。
井戸を掘るために業者に依頼をすると20万円から100万円ほどの費用がかかってきます。
さらに給水設備を設置するのに数十万円ほど必要になります。
オーナーにとってはこの設備を整えるだけでかなり出費がかさんでしまいますよね。
ポンプの寿命が短い
さらに井戸水というのは水道水に比べるとミネラル成分がとても多く含まれています。
このミネラル成分がポンプや配管を痛めるのでポンプの寿命がとても短いんですね。
浄化槽のメンテナンスも必要になります。
そのため、井戸水を使う場合は年間で10万円以上のランニングコストがかかると考えておいた方が良いです。
水道料金が安い分、井戸水を使うためにかかるランニングコストの部分を家賃などに上乗せするという方法もありますが
近くに競合物件などがある場合はこれも難しいところがあります。
水質に問題がある場合がある
日本の井戸水の場合はそのまま飲める井戸水も多いのですが、井戸水は地下水であり土壌により自然ろ過された水です。
都市部の井戸水の場合は工業廃水などで汚染されていることもあります。
また近くに牧場がある場合は動物の糞尿により井戸水に大腸菌が含まれてしまっている場合もあります。
定期的な水質検査が必要になりますが、水質検査をするのに5万円から10万円程度の費用がかかることも多いです。
そのため実際には水質検査をしていない住戸は多いです。
オーナーに水質検査の義務が必ずあるというわけではないからです。
対策としてはそれぞれの部屋で浄水器を使ってもらうというようなものになるでしょう。
アクアクララなどのウォーターサーバーなどを入居特典としてつける、という手もあります。
井戸水に金属が含まれていることがある
場所によりますが鉄やマンガンを多く含んだ井戸水もあります。
鉄を多く含んだ井戸水のことを「かなき」や「そぶ」と呼ぶことがありますが、これらの井戸水を洗濯に使うと洗濯物が黄ばんでしまったり黒ずんだりすることがあるんですね。
これらは井戸水を使う上で大きなデメリットになりますし、悩んでいる人は多いです。
除鉄装置というものがありますが、数十万円するだけでなくランニングコストもかかってくるので、これを使うのであれば井戸水よりも水道水を使った方が安くなります。
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メリットも多くある井戸水ですが、デメリットも多いと言えます。
入居者からすると水道料金が安くて良いかもしれませんが、井戸水の物件というのは大体オーナーにとっては大きな負担になるものです。
どうしようにアパートを探している時は、水道水が引かれているかどうかということもきちんと確認した方が良いでしょう。
どうしても井戸水の物件を検討している場合は、水質調査が行われているかどうか、ポンプの取替えをいつ行っているかなどの履歴事項を確認したほうが良いと思います。
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