不動産を購入する時に知っておきたい知識として「物件の耐用年数と減価償却」という考え方があります。
新築の物件な場合は耐用年数もあらかじめ決まっていますし、減価償却の計算も簡単です。
では中古物件を購入する時はどうなのでしょうか?
今回は中古物件を購入した時の減価償却の計算の仕方について解説していきたいと思います。
減価償却とは
そもそも減価償却とはどのようなことを指すのでしょうか。
減価償却というのは不動産や自動車など耐用年数が長いものを購入した時に、その購入費用を一括で計上するのではなく、利用可能な年数に分けて毎年経費としての扱いで計上することを指します。
不動産や自動車などは何年もかけて利用するものなので、このような計算方法が取られています。
実際に費用として発生するのは不動産を購入した時なのですが、
毎年費用として計上することができるので節税対策になるというわけです。
不動産や自動車などは月日とともに経年劣化していき、その価値が失われていくものです。
その価値がゼロになる年数が耐用年数です。
建物は材質や工法によって耐用年数が法律で決められておりこれを法定耐用年数と言います。
法定耐用年数が表す年数はあくまで資産価値として価値を保ち続ける期間のことであり、法定耐用年数を超えたからといってその建物が使えなくなるというわけではありません。
そのため法定耐用年数を超えている中古物件もたくさんあります。
不動産の場合は経年劣化していくのは建物のみなので、耐用年数のことを考えるのは建物部分のみです。
土地には耐用年数はありません。
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減価償却が必要な場合
自宅として不動産を保有する場合は減価償却の必要はありません。
あくまで経費として計上できるものとして減価償却費というものがあるので、減価償却が必要なのは税金の申告が必要になる場合です。
賃貸物件として貸しに出す時
中古マンションや中古物件を購入して賃貸として貸し出す場合は、家賃収入が不動産所得として計上をされるので所得税がかかります。
それに対して減価償却費を経費として計上することができるのです。
売却する時
中古物件を売却するときは自宅用のものであったとしても売却益に対して不動産譲渡所得と所得税が課せられるので、これに対して減価償却費を経費として計上することができます。
中古物件を売却する場合の課税譲渡所得金額は
売却価格−(取得費+諸経費)-特別控除
という式で求めることができます。
関連記事:不動産を売却した時の税金!どんなものがどれくらいかかるの?
減価償却の計算方法は2種類
減価償却費の計算方法は定額法と定率法の2種類があります。
特に届け出を提出しない場合は定額法での計算となります。
定額法では建物の購入価格に国税庁が定めている償却率をかけることで減価償却費を求めることができます。
毎年同じ金額を減価償却費として計上することができるのが定額法ですね。
一方定率法の方は、毎年同じ比率だけ減価償却していく金額が少なくなっていく形になっています。
法定耐用年数は
- 木造…22年
- 軽量鉄骨造…27年
- RC造…47年
と決められています。
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中古物件の耐用年数の計算方法
中古物件を購入した場合。減価償却はどのように計算したらいいのかというと
(法定耐用年数-築年数)+築年数×20%
で計算することができます。
この計算式の場合は、築年数が法定耐用年数を超えていた場合マイナスになってしまいますので、築年数が法定耐用年数を超えている中古物件は減価償却できないのかと思われるかもしれませんが
築年数が法定耐用年数を超えている場合でも減価償却をすることができます。
その場合の計算式は
法定耐用年数×20%
となります。
法定耐用年数をすでに超えている中古物件は無数に存在します。
それらの物件も購入すれば、期間は短いものの減価償却することができるのです。
関連記事:減価償却は耐用年数を超えた場合でもできる!その計算方法は?
設備も減価償却できる
建物以外にも、ガスや上下水道、電気なども設備も減価償却をすることができます。
これら設備の耐用年数は15年です。
中古の場合は建物の同じ計算方法になります。
耐用年数が終わる時期に注意
不動産投資用に中古物件を購入する場合は、月々のキャッシュフローも考えると思います。
減価償却をすれば、実際には出て行かないお金を経費として計上することができるので、減価償却期間は節税することができますよね。
ですが、減価償却期間が終わるタイミングで経費として計上できる金額が少なくなってしまうので、
それによって思わぬ税金がかかってきてしまい、黒字倒産してしまうケースもあります。
そのタイミングで物件の売却を検討する人も多いです。
出口戦略を考える時に、ぜひ減価償却の考え方も頭にいれてシミュレーションしてみてください。
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