不動産投資をする際、銀行から融資を受けたいと考える人は多いと思います。
現金で投資することももちろんできますが、融資を受けて投資をした方がそれだけレバレッジをかけることができ、収益性は高まりますよね。
ですが、不動産投資を始めるまでに融資を受けたことがない、という方の方が多いと思います。
今回は銀行で融資を受けて不動産投資を始めたいと思っている方向けに、
この銀行融資の種類について、解説してみたいと思います。
銀行融資には4種類ある
実は銀行融資には大きく分けて4つの種類があります。
- 証書貸付
- 手形貸付
- 当座繰越
- 手形割引
不動産賃貸業を行う時に関わってくるのはほとんどの場合、証書貸付かと思いますが、
もし今後、不動産投資規模をどんどん大きくしていきたい、という気持ちがあるなら手形貸付についても知っておくと良いかもしれません。
それぞれの融資の種類について解説してみます。
証書貸付
金銭消費貸借契約書を銀行に差し入れることで融資を受ける方法で、
返済期間1年を超える長期融資でこの方法がとられます。
不動産を購入する時には、この証書貸付の方法がとられるのが一般的。
金銭消費貸借契約書には、
- 融資金額
- 金利
- 返済期間
- 返済方法
などが記載され、会社の署名・捺印、連帯保証人の署名・捺印を行った上で契約をかわすことになります。
返済はほとんどの場合毎月、となるでしょう。
不動産投資初心者の方の場合、
自分の給料から少し補填して返済をしよう、と考えられる方も多いですが、
月々のキャッシュフローが悪化しないように、最初は手出しなしで返済出来る金額でシミュレーションするのがおすすめです。
無理な返済額になってしまわないよう、家賃設定などのシミュレーションはなるべく厳しめにやってみてください。
関連記事:不動産投資をする時にやっておくべきシミュレーションまとめ
手形貸付
手形貸付は借入用手形を銀行に差し入れることで融資を受ける方法です。
返済期間1年以内の短期融資でこの方法がとられます。
借入手形というのは、決められた期日までに記載された金額を支払う、ということを約束する証書のことで、
融資を受ける側が「振出人(手形の発行をする者)」、融資を行う銀行が「受取人(手形の金額を支払う義務のある者)」となります。
不動産賃貸業の場合では主につなぎ資金として手形貸付で融資を受けることがあります。
土地を購入してアパートを新築し、入居を開始するまでの間、まとまった金額が必要になりますよね。
そのつなぎ資金として手形貸付の方法がとられる、ということがよくあるのです。
証書貸付に比べて短期間であるというのもあり、融資の手続きは証書貸付より簡単になっています。
かなり大規模に投資をすることを考えている方が使う融資ということになります。
土地購入時やアパート建設時にそれぞれ先に手形貸付で融資を受け、
その後入居が始まる段階でまとめてそれらを証書貸付に切り替える、という方法ですね。
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当座貸越
当座貸越とは融資の限度額を設定して、借入申込書1つで借りたり返したりできる方法で、この限度額を極度額と言います。
極度額の設定には審査が必要になりますが、これが通れば当座貸越契約書を交わせて、以降は極度額の範囲であればいつでも借入申込書1つで融資が受けられるようになるというものですね。
この当座貸越は
- 製造業
- 卸売業
- 小売業
などで利用されるもので、不動産の購入資金として当座貸越の融資を行うことはありません。
そういうものもあるのか、くらいで思っていただければと思います。
ちなみに個人で考えると、カードローンも当座貸越の一種と言えます。
限度額までお金を借りることができますが、金額は多くても数百万円、金利も10%近くあり高めですね。
不動産賃貸業を想定した融資とは全く性質がことなるのです。
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手形割引
手形割引は売掛先から受け取った手形を銀行に買い取ってもらい、現金化する方法です。
銀行は手形の支払い期日に手形を取り立てて資金を回収する仕組みになっており、
もし割引した手形が不渡になった場合は、手形割引を行った会社が銀行から手形を買い戻す義務があります。
不動産賃貸業ではほとんどこの方法が使われることはありません。
ということで今回は銀行融資の種類について解説をしてみました。
基本的に不動産投資を行う際に知っておきたいのは証書貸付と手形貸付の2種類です。
融資を受ける時には融資面談をする必要がありますが、
その時に銀行側がしてくる質問にはかならず意図があります。
基本的には「この人にお金を貸して大丈夫か?ちゃんと返済してもらえるか?」というところをベースに見ていますので、
質問の意図を考えながら、しっかり信頼してもらえるような回答をするようにしましょう。