売買知識

表面利回りの計算方法と隠された罠!

不動産投資を考えている人がまずはじめに見るのは売りに出されている物件の情報だと思います。

どんな物件を購入しようかと思った時に、物件を見る指標の一つに利回りというものがあります。

 

今回はこの利回りについて解説していきたいと思います。

 

不動産を見る時の指標「利回り」

 

不動産を見るときの指標としてある利回りというものですが、一般的にパーセンテージで書かれています。

100%が物件購入価格を示し、1年間で何パーセント分回収できるかというのを表しているのが利回りです。

 

利回りが10%であれば100÷10=10となり、10年で物件購入価格になるので、

10年その物件を持った上で物件を売却することができれば、売却金額分利益を得ることができるということですね。

 

今の日本だと、東京都心部にある物件に関しては利回り5%前後が平均です。

これだと物件購入価格まるまるを回収するまでに20年は最低でもかかってくる計算になります。

 

地方の中古物件などはそもそも物件購入価格が安くなっていることが多いので、利回りが20%ほどあるような物件もあります。

 

しかしこれらも利回りで気をつけたいのは、あくまで物件情報やサイトに記載されている利回りというのは表面利回りであるということです。

 

表面利回りの計算は物件購入価格と家賃収入のみで計算されるものです。

そこに賃貸経営をしていくためのランニングコストやかかってくる諸経費などは含まれていません。

 

さらに家賃収入も満室想定時の数字になっていることが多いのです。

つまり表面利回りというのは一番最高の条件で賃貸経営をすることができた場合の数字でしかないのです。

基本的には表面利回りだけで物件を決めてはいけません。

関連記事:中古物件の購入で失敗しないために見るべきポイント

 

表面利回りの計算方法

 

では実際に表面利回りはどのような計算方法で計算するのかと言うと、以下のような式になります。

[年間家賃収入の総額]÷[物件価格]

 

ここでいう年間家賃収入の総額というのは満室想定時です。

たったこれだけの要素で表面利回りが計算されているんですね。

 

実際に賃貸経営をする場合はここに修繕費などのランニングコストが掛かってきます。

もちろん固定資産税や都市計画税などの税金などもありますし、大規模修繕が必要になってくることもあるでしょう。

 

物件の今の状態などを見つつ、表面利回りだけでなく実質利回りも計算していくことが大切です。

関連記事:不動産投資で得た収入の確定申告、経費にできるものはどんなもの?

 

実質利回りとは

 

実質利回りでは表面利回りでは考えなかったランニングコストを計算の中に組み込み、より現実的な利回りを計算していきます。

実質利回りで計算するものとしては

  • 管理費
  • 修繕費
  • 固定資産税・都市計画税
  • 水道光熱費
  • 保険料

など物件を維持していくためにかかる費用

  • 登記費用
  • 司法書士報酬
  • 不動産取得税
  • 印紙代

など不動産を手に入れるためにかかる費用があります。

関連記事:不動産投資のランニングコストにはどんなものがある?

 

実質利回りの計算方法

 

より具体的な利回りを計算するための実質利回りは以下のような計算方法で導き出されます。

([年間家賃収入]-[ランニングコスト])÷(物件購入価格+物件取得時にかかる諸経費)

 

年間で考えるものと物件を購入した時のみの支出を分けて考えるのがポイントですね。

ランニングコストを考える分、収入は減りますし、諸経費も計算するので初期費用が増えます。

そのため表面利回りよりも実質利回りの方がより利回りが低くなります。

 

中古物件を購入する場合は修繕履歴なども調べて、近い将来必要になってきそうな修繕費用も計算の中に入れてみると良いでしょう。

関連記事:中古物件を購入!クリーニング費用の相場は?

 

利回りがよく見えるように物件を売っている!?

 

最近は利回りが高く見えるように物件を売っているケースというのがあります。

それが物件を民泊にして売るという方法です。

 

民泊は簡易旅館業法が施行されてから急速に普及していきました。

 

部屋数が多い物件を中古で購入してリノベーションし、民泊として売り出すという方法があるんですね。

民泊にすればすべての部屋を毎日稼働させた場合の収入として計算することができ表面利回りがとても高く見えます。

 

実際にどれぐらいのお部屋が稼働しているのか、収入がどれぐらいあるのかということは先に確認してから購入したいところです。

 

また空室率が異常に高い物件を、かなり安めの物件価格にして販売しているケースもあります。

物件価格が安くなれば利回りは高く見えます。

 

しかし実際には空室率が高いためなかなか収益を得られないという物件だったりするのです。

 

利回りだけを物件購入の指標にしてしまうと、思わぬ罠に引っかかってしまうことがあります。

「利回りが高いな」と思ったらなぜその利回りが高く見えるのか、という理由までしっかりと考えた上で物件を購入するようにしましょう。

関連記事:不動産投資の利回りの最低ラインはどうやって判断する?

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