不動産投資をしていると必要になってくるのが保険の知識です。
所有する物件の規模が大きければ大きいほど、保険は重要なものになってきますよね。
中でも必ず検討しなくてはいけないのが火災保険でしょう。
火災保険は「火災」という名前がついていますが、火災だけでなく色々な自然災害、また予測不能の事故を補償することができる保険です。
中でも水漏れの被害は、発生率が非常に高いものです。
火災保険では水漏れや漏水による被害を水濡れ(みずぬれ)被害と言い、適応される補償は水濡れ補償です。
今回は賃貸物件で起きてしまう水漏れに関して、どんなケースであれば火災保険を利用することができるのかということと、その注意事項について解説していきたいと思います。
火災保険が利用できる水濡れ被害
火災保険を適用することができる水濡れ被害のパターンとしては、
- 給排水設備の破損による水漏れ
- 他の階で生じた水漏れ
- 隣宅が家事になった際の鎮火活動による水漏れ
の3つです。
水漏れ(みずもれ)と水濡れ(みずぬれ)の表現の違いがややこしいですが、
火災保険で言う水漏れと水濡れの違いは以下です。
- 水漏れ…配管やシンクなどのひび割れや劣化した箇所から水が漏れること
- 水濡れ…水漏れや漏水によって発生した被害のこと
ちなみに漏水というのは水漏れとほぼ意味は同じです。
火災保険には水濡れ補償という補償があり、
こちらは特約としてオプション的に契約することができるものになります。
不動産投資をしている場合は、この水漏れ補償を契約しておくと、水漏れ系の被害が起きた時に火災保険を利用することができるでしょう。
水漏れが起きた場合は、加入している火災保険に水漏れ補償が含まれているかどうかを確認してみてください。
水漏れ被害が補償される場合とされない場合
水漏れ被害は発生原因によっては補償を受けられない場合もあります。
水濡れ被害が補償される場合
例えば、
- 台風が通過した時に外部から飛来物があり、それが屋根に当たって水漏れが発生し、天井に水濡れ被害が発生した
- 大雨の影響で床下浸水があった
このようなケースでは火災保険を利用することができます。
原因が自然災害になりますので、火災保険の主契約の部分で補償ができるんですね。
ただし、火災・破裂・爆発のみの補償範囲の場合は火災や爆発以外の被害は保証されませんので、水濡れ補償に加入しているかどうかは十分確認してください。
他にも例えば、
- 排水管の詰まり
- 給湯器の故障
- 浴槽のひび割れ
などで起こるお風呂の水漏れなども火災保険で補償することができます。
水濡れ被害が補償されない場合
基本的に不動産投資を行うオーナーは、火災保険は建物のみでかけていると思います。
火災保険の補償対象は
- 建物のみ
- 家財のみ
- 建物と家財
の3パターンになりますが、家財に関しては入居者のものになりますので、入居者側で火災保険に個人的に入ってもらう、というのが一般的でしょう。
そのため、家財が被害にあった場合は入居者側で入っている保険の方で対応してもらうことになります。
また、火災保険は基本的に自然災害が原因で起こった損壊にしか対応できないため、経年劣化が原因で起こった水漏れに関しては補償することができません。
例えば窓枠が歪んでしまっていたり、屋根が老朽化したことによって隙間ができ、雨が入ってきて水漏れが起こった、というようなケースでは補償することができませんので注意が必要です。
こういった経年劣化を誤魔化して火災保険の申請を行っても、結局申請が通らず、給付金ももらえない、ということも多いです。
火災保険の申請の否認理由で一番多いものは経年劣化が原因のものです。
関連記事:火災保険の保険金はどんな時に支払われた?
火災保険申請のために注意しておくべきこと
水漏れ被害は、その時は家の中が水浸しになってしまって大変でも、
後日該当箇所を見た時には乾いてしまっていて、被害の様子を証明できない、ということもよくあります。
そのため、被害が発生した時に証拠となるような写真を撮影しておくことが大切です。
水漏れ被害があった時は、入居者の方にしっかりと被害状況の写真を撮影しておいてもらうように案内しておくと良いでしょう。
関連記事:火災保険申請時の写真、どう撮ればいいの?
入居者のミスによる水漏れは?
不動産投資をしていて気になるのは、入居者のミスによって起きてしまった水漏れ被害は補償対象になるのか?ということです。
特にアパートやマンションなどの集合住宅の場合は、水漏れが起こった際に階下の別の部屋にも被害が及んでしまう、ということが多々あります。
そういった場合はどうなるのか、というと、
基本的には入居者の方で入ってもらっている火災保険で対応するような形となります。
火災保険の中でも個人賠償責任保険を利用することになるでしょう。
この知識がなく、入居者が発生原因を誤魔化してしまう場合もありますが、
最近は契約時に入居者側で別途保険を契約してもらうのが一般的ですので、
損害賠償を入居者自身が全て負担しなくてはいけない、ということではありません。
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