地方の築古アパートを中心に、戸建てや区分マンションにも投資をしています。
投資歴は10年を超えました。
みなさん、夜逃げをされたことはあるでしょうか?
私はあります笑
先日同じ不動産投資を行うオーナーの友人とお食事に行ったのですが、
なんとその方も夜逃げをされてしまって、しかもそれが20年以上住んでいらっしゃった入居者さんだったらしいんですよね。
お部屋の中が汚部屋になってしまっていて、なんと原状回復の見積もりが160万円で出てきたそうです。
裁判もしているそうですが、破産宣告しているようで多分回収できない…というお話でした。
不動産投資をしているとこういったリスクは必ずつきまとうものです。
家賃を滞納している入居者と連絡が取れない。
そんな時、契約解除に向けてどのように動いていけば良いのでしょうか?
契約解除までは長い道のり。落ち着いて行動する
入居者と連絡が取れなくなっても、すぐに契約解除ができるわけではありません。
たとえば警察や関係者立会いのもとお部屋に入ってみたら、お部屋の中がもぬけの殻になっていて、「多分夜逃げされたのだろう」という状況だったとしても、それでもすぐに契約解除できるわけではないのです。
そのため、入居者の荷物を撤去したりすることもすぐにはしてはいけません。
「ちょうど出張に行っていた」みたいな形で入居者が帰ってきた場合、
勝手に人の荷物を撤去したら、逆にオーナーが訴えられる可能性があります。
連絡が取れない状況になっても、まずは慌てず、落ち着いて行動することが大切です。
家賃滞納が膨れ上がってくるとオーナーとしても焦ると思いますが、トラブルをより複雑にしないために、冷静に行動しましょう。
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関係者に連絡をする
入居者本人と連絡が取れない場合に、まず一番最初にやることは関係各所に連絡をするということです。
連帯保証人や緊急連絡先、入居者の家族などに連絡をしてみましょう。
たとえば先述したような出張だったり、不慮の事故などにより意識がない状態だった、と言うこともあり得ます。
そういった場合は関係者から入居者本人の状態を知ることができる場合があります。
関係者と連絡が取れた場合に伝えるべきことは以下の2つの項目です。
- 期限までに支払われていない家賃を支払って欲しいということ
- 入居者本人から連絡をするように伝えて欲しいこと
ただ、関係者とも連絡がつかなかったり、連帯保証人でも本人の今の状況を知らなかったり、「もう電話をかけてこないでほしい」と言われることもあります。(残念ながらそういうケースの方が多いようです)
そして連帯保証人と連絡がついたとしても、連帯保証人には入居者とオーナーの間で取り交わされた賃貸借契約を解除する権利がありません。
代理で解約することもできないんですね。
なので、裁判によって賃貸借契約を解除し、強制執行によって家財の処分や建物の明け渡しを進めなければならないのです。
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督促状を送る
連帯保証人などの関係者に連絡をしても解決しない場合は家賃滞納の事実と支払い期限を書面で通知する督促状を送信することになります。
督促状は入居者本人だけでなく連帯保証人にも送ることができます。
入居者本人が家賃を支払わなかった場合に代わりに支払い義務が発生するのが連帯保証人ですので、連帯保証人と入居者、どちらにも督促状は送付したほうが良いでしょう。
ここからは法的な手続きに入っていきます。
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法的な手続きへ
家賃滞納があった時の法的な手続きの流れについても簡単に解説しておくと、
- 内容証明郵便を送る
- 簡易裁判所へ訴訟を起こす
- 建物明渡請求訴訟
- 公示送達を申し立てる
- 裁判結果が出たら、判決に基づき強制的に建物の明け渡し
という流れになります。
法的な手続きになってくると、弁護士さんと相談しながら進めたほうが良いですね。
もちろんそこで弁護士費用がかかるわけですが、それも回収できるかどうかは分かりません。(回収できない確率の方が高いでしょう…)
裁判で契約を解除し、強制執行で建物の明け渡しとなるまでは、
- 無断で部屋に立ち入る
- 無断で鍵を交換したり家具や荷物を外に出したりする
といったことはしてはいけません。
これらを行ってしまうと、オーナーが訴えられることがありますので注意が必要です。
安否確認などは警察に依頼を
入居者本人と連絡が取れなくなった時、
入居者の友人や親戚から安否確認のために開錠したり入室したいという相談があることもあります。
そういった場合は、依頼者が本当に入居者と関係がある人なのか、証明をしてもらう必要があります。
できれば依頼者には警察に相談してもらったほうが良いでしょう。
もしそれでストーカーなどの別のトラブルに発展してしまったら、オーナーも責任を問われることがありますからね。
警察に相談していただいた上で、警察から開錠の依頼があった場合は、警察の立会いのもとで開錠することになります。
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