中古物件を買う時によく聞くようになった言葉がリノベーション済み物件、です。
不動産投資界隈の人はリノベーション投資という言葉も聞くようになったかと思います。
このリノベーションですが、すでにリノベーション済みの物件が販売されていることもあります。
逆に中古物件を買って自分でリノベーションをするという手もあるわけですが、
リノベーション済み物件の方が多少金額的には高くなってもすでにリノベーションが行われているため手間もかからないし、
購入してからすぐに入居募集することができるので楽だと考える人も多いでしょう。
実際、中古物件を購入する場合はリノベーション済み物件はお買い得なのでしょうか?
今回は中古物件のリノベーションについて焦点を当ててお話ししていきたいと思います。
リフォームとリノベーションの違い
まずリフォームとリノベーションが混同されがちなので、この違いについて知っておきましょう。
リフォームというのは建物本来の性能を取り戻すための中古物件の修繕のことで、クロスの張替えやユニットバスの入れ替えなどの小規模な工事のことを言います。
中古物件を購入して新しく入居者を募集する前までに行う修繕などが一般的なリフォームに当たるでしょう。
それに対してリノベーションというのは間取りを変更したり給排水設備の変更をすることで、本来の建物の性能以上のものを引き出すもののことを指します。
つまりリノベーションをすることによってさらに物件の価値を大きく高めるということですね。
最近では古民家や空き家の活用などが流行っています。
間取りを変えるために一部の壁を取り除いたり、天井を高くしたりというような作業があるため、リフォームに比べるとリノベーションの方が金額的には高くなるでしょう。
リノベーション投資のメリット
新築物件を購入しようとするとどうしても「新築」というブランド部分に大きく価格が上乗せされており、誰かの手に渡って中古になったとたんに物件の価格は下落します。
どうしても新築信仰の強い日本では新築価格というものが存在してしまうものです。
そこで中古物件であれば手が出しやすくなります。
リノベーションを行うことにより、一般的な家賃相場よりも5%から10%ほど高い家賃で入居付けをすることができたり、空室率を抑えられたり、
中古物件だからこその見た目の味を感じられるのに、リノベーションされていることによってお部屋の中は古さを感じない、というような物件を作ることができます。
例えば再建築不可の物件などは接道義務を果たしていないなどで建て替えができない物件なので、周辺の相場と比べて安く売られている物件だったりします。
そういった物件でもリノベーションをすることは可能なので、安い物件を購入しておりノベーションをすれば高利回りの投資用物件に変えることができるのです。
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ターゲット層に合わせたリノベーションで差別化
リノベーションを行う場合はターゲット層を明確にした方が良いでしょう。
例えばマンションと戸建てではリノベーションできる範囲が違います。
マンションの場合はリノベーションできるのは専有部分のみですし、専有部分の水回りの位置で施工できる内容も変わってきます。
マンションの管理規約などでリノベーションの範囲が制限されている場合もあるでしょう。
一方、戸建ての場合は建物の構造の他に建築基準法や法規制などで制限を受けていることがあります。
どのようなターゲット層に向けてリノベーションをするのかということはもちろん、リノベーション投資を考えているのであれば物件を購入する時にどこまでにリノベーションをすることができるのかということを先に考えておかなくてはいけません。
場合はターゲット層に合致したデザイン性や機能が求められます。
男性をターゲットにするのか女性をターゲットにするのかでも大きな違いが出てくるでしょう。
さらに単身者なのかファミリーなのかということも大きな違いになってくるかと思います。
なるべく具体的にターゲットをイメージすること。
ターゲット層に合致したリノベーションをすることができれば、周辺物件との差別化もできるでしょう。
似たような間取りの物件でもデザイン性が高ければ家賃を少し上げても入居付けができるかと思います。
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リノベーション済み物件の恐ろしさ
すでにリノベーションを施されているリノベーション済み物件が売りに出ることもありますが、こういったリノベーション済み物件は購入はあまりお勧めできません。
確かに既にリノベーションされているということでかなり手間は省けると思うのですが、リノベーションをして既に綺麗になっているということは、逆を言えば見られたくないところを既に隠されてしまっている、ということでもあります。
例えば天井の雨漏りの痕跡なども壁紙を張り替えてしまえば分からなくなってしまいますし、シロアリ被害があるような物件もリノベーションすることで分からなくなってしまうことはよくあることです。
そしてリノベーション済み物件というのは実際のリノベーション費用に額が大きく上乗せされていることが多いです。
リノベーションをした上でそれよりも高い値段で売らなければ元が取れないですからね。
せっかく不動産投資を行うのであればリノベーションは自分でやって楽しむくらいの余裕があった方が良いと思います。
やはり不動産投資がうまくいっている人は不動産そのものが好きで、リノベーションのデザインなども考えるのが楽しくてたまらないという人が多いです。
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リノベーション投資はリスクが高い
リノベーション投資にかけている値段として800万円から1000万円程度の価格帯が一番多いとされています。
もちろんリノベーション内容やどれぐらいの規模でリノベーションをするのかということによって価格帯は変わってくるものではありますが、
この800万円から1000万円という金額があれば正直、地方の物件であれば新築が買えてしまいますよね。
都心でリノベーション投資を行いたいという意志が最初からあってリノベーション投資を行うのであれば良いですが
地方なども視野に入れて不動産投資のことを考えているのであれば、地方の物件の方が安くて利回りの良い物件が手に入ると思います。
リノベーションをしたからといって必ずしも空室率が下がるとは言えないですし、家賃はあげられる保証はないし、リノベーション物件も結局は経年劣化していくものなので修繕が必要になっていきます。
下手にデザイン性が高いことによって逆に売却しにくくなるケースもあるでしょう。
動くお金が大きい分リスクも高いのがリノベーション投資だと言えるかと思います。