不動産を購入しようとした時、色々な費用がかかってきたり、買付申込書と申し込んでから売買契約書を契約したり、と作業が煩雑なため、
「もしこの時点でキャンセルをしたらどうなるんだろう?」
と、何度か不安に思ってしまうこともあると思います。
今回は手付金をすでに支払った不動産の場合、途中でキャンセルすることができるのか、ということを解説してみたいと思います。
手付金を支払う、というのはどういうタイミングなのか?
不動産購入までの全体の流れを書いてみると以下のような感じになります。
- 物件を探して良い物件を見つける
- 該当物件に買付申込をする(申込書の記入)
- 重要事項説明・売買契約…手付金の支払い、収入印紙代、印鑑、本人確認書類が必要
- (銀行融資審査)…ローンで購入する場合は審査が入ります。審査が通ればローンの申込み
- (金銭消費賃貸契約)…ローンを組んで購入する場合、金融機関と交わす契約で金利条件の設定などもここで行います
- 残金決済・引き渡し
- ローン返済開始
手付金をすでに支払っている状態というのは、ここで言う③になりますね。
申込を行なった上で、金額の交渉も済み、買主と売主の双方の合意で売買契約を結ぶ時に手付金の支払いを行います。
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売買契約時に支払う手付金の意味
手付金は物件価格の5%〜10%相当が相場となります。
例えば3000万円の物件を購入する場合は、手付金は150万円〜300万円ということになります。
物件規模にもよりますが、手付金はかなりの金額になるので、支払うのも少し不安に思われる方が多いと思います。
この手付金を支払う意味について考えてみましょう。
買付申込をした時点では、「不動産を購入する意思がありますよ」ということを売主に伝える意思表示でしかありません。
そのため申込時点ではいつでもキャンセルをすることができますし、それによってお金がかかるということはありません。
売主側には複数の申込が届いているものもあり、当然指値をしているものもあるので、その中から情報や条件をみて、「この人になら売っても良いかな」という人を選び、その人と売買契約を交わすのです。
基本的には申込を最初にした人が一番手、ということにはなりますが、
現金化を急いでいる売主の場合は多少金額が安くても現金で購入してくれる人を優先したりすることもあります。
そして、売主と買主が双方合意した上で売買契約を結ぶことになります。
この時に手付金が必要になるわけですが、これは買主が簡単にキャンセルをできなくするためのお金、と考えて良いです。
売主は他の申込を断って、その人と契約することを選んでいるわけですから、売買契約をしてからキャンセルをされる、となるとまた振り出しに戻ることになってしまいます。
つまり、基本的には、手付金を支払って売買契約を結んだあとは、重大なトラブルが起きない限りはその売買契約から引き渡しまでスムーズに進んでいくものと考えて良いです。
よほどのことがない限りはキャンセルするということはあまりありません。
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ローン審査が通らなかった、条件が思ったのと違った場合は解除できる
ローンの審査は売買契約後に行われますが、
ローンの審査が通らなかった場合もキャンセルができない、となると誰も不動産を購入したくなくなりますよね笑
手付金もなかなかの金額になりますし、ローン審査が通るという保証はありませんから、怖くなって売買契約を結べなくなってしまいます。
そのため、ローンを組んで物件を購入する場合は、ローン特約というものがあり、
ローンが通らなかった場合には契約を白紙に戻せるという条件が売買契約に掲載されるのが一般的です。
ローンを組んで物件を購入する場合は売買契約時にこのローン特約の説明があるはずですので、しっかり聞いておくようにしましょう。
自己都合でキャンセルする場合は手付金は返金されない
売主の都合で売買契約がキャンセルとなる場合は手付金はもちろん返金されますが、
買主側の自己都合によりキャンセルとなる場合は手付金は返金されません。
また手付金が返金されないだけでなく、損害賠償や違約金の支払いを求められることもありますので注意が必要です。
売買契約を交わすということは、基本的はもうその不動産を購入する意思は固まっている、ということになりますので、
他の物件と悩んでいたり、何か他にも悩んでいる要素がある場合は、少し待った方が良いです。
とはいえ、売買契約を結ばないまま待ってもらってしまうと、他の申込者に決まってしまって、そちらで売買契約が進んでしまうこともあるので、
申込をしてから売買契約を結ぶまでというのはかなりスピードを求められるのが不動産売買の難しいところなんですけどね。
悩む時間をしっかり取れるような状況で不動産を探した方が良いでしょう。
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