賃貸物件で退去が出るとき、退去理由を一応聞くものだと思いますが、この退去理由で本当のところを話してくれる人は少ないですよね。
空室が続くと、
何かしらの対策をしなきゃいけないとは思うけど、実際何がいけないのかよくわからないなぁ…
ということもあるでしょう。
例えば大学生で、卒業だったり学年が変わることでキャンパスが変わるなどであれば理由も明確ですが、
ほとんどの場合は退去理由が不明瞭のまま、「一身上の都合で…」といった感じで濁されてしまいます。
ということで今回は、賃貸物件での退去理由ランキングを見ながら、空室対策として何ができるか、考えてみようと思います。
「GMO賃貸DX WEBメディア編集部独自調べ」というものを参考にすると、入居者が退去した理由ランキングは以下のようになっています。
- 前より条件の良い物件を見つけたから
- 他の入居者・オーナー、管理会社とのトラブル
- 設備に不満があった
- 騒音問題
- その他
- 部屋の広さに不満
- 買い物など周辺施設がいまいち
- 日当たりが悪かった(良すぎた)
- 環境を変えたかった
- 家賃の問題
- 前の物件が駅から遠い
- 害虫
- 水回りに不満
- 最寄り駅までの距離
- 風通しが悪い
- ストーカー被害
- 収入が増えた
- 駐車場・駐輪場がない
この中からオーナーが改善できそうなものについて、見てみましょう。
競合物件の調査を怠らないように
退去理由ランキングで1位になっていたのは「前より条件の良い物件を見つけたらから」というものでした。
良い条件というのも様々なものが考えられますよね。
- 立地が良い(駅が近い、スーパーやドラッグストアなどの便利な施設が近い)
- 日当たりが良い
- 家賃が安いorあまり変わらない
- 間取りが良い
- 地震に強い工法
- インターネット無料
- 水道無料(家賃に含まれる)
立地に関することは物件を購入する時に確認しなくてはいけないことで、実際に運用が始まってからはどうにもすることができない部分ではありますが、
それ以外の、
- 賃料
- 設備
といったところは物件運用中でも改善していくことができる部分ではあります。
ネットで競合の物件を検索して、
何が足りないのか、家賃設定は相場から離れすぎていないか、といったところを定期的に見直す機会を作ってみると良いでしょう。
多くの入居検討者はネットで思い思いの条件を入れて検索し、出てきた結果の中から2〜3部屋ほどピックアップして内見し、入居を決めることが多いです。
つまり競合物件と並べて考えられることが多いのです。
その時に見劣りする条件だと、空室が出やすくなりますよね。
関連記事:やってはいけない空室対策とは?
トラブル対応は迅速に
退去理由ランキングの2位に「他の入居者・オーナー、管理会社とのトラブル」というものが入っていますが、
クレームを入れてもトラブルが解消されなかった場合に、高確率かつ短期間で退去につながっているというデータがあります。
入居者から何かしらの改善要求があった場合は、なるべく早めに対応をするよう心がけましょう。
ここで難しいのはなんでも対応してはいけない、というところかなとも思います。
私も入居者から
ここが壊れているので直して欲しいです
というような要望が入ったとしても、
毎回それをしっかり修繕してあげていたら、どうしても出費がかさんでしまいます。
ただ、「今回は修繕しない」という判断をするにせよ、それをなるべく早く連絡する、ということが何よりも大切なんだと思います。
こちらから要望を伝えたのに、連絡が全然こない…
となってしまっていると、不満につながっていきますよね。
今すぐに修繕しなくても問題がないようなものに関しては、
今回は生活をする上で支障がないので修繕はしませんが、退去される時もこの箇所についてご請求をすることはありません。
というような内容を、管理会社さんに伝えてもらうようにしています。
「どういう方針でどういう結果が出たのか」ということを迅速に伝えることができれば、修繕対応がない場合でも入居者の感じる不満の指数は抑えられるのではないかなと思うのです。
関連記事:賃貸物件の修繕、入居中のお部屋からの要望にどこまで応えるか
駐車場を後から増やすことも
私の場合は地方の築古アパートに投資をしていることが多いのですが、
地方アパートだと駐車場が必須、みたいなところが結構あります。
都会の場合は駅近がどうか、ということが重視される条件ですが、
地方の場合は駐車場があるかどうか、複数台停められるか、ということの方が重視されることも珍しくありません。
もともと駐車場の台数が少なかったアパートなんかでは、
近くにある土地を後から購入して、そこを月極駐車場としてしまう、というようなことをしたことがあります。
実際お部屋の紹介をしてくださっている不動産業者の方にも
このあたりは駐車場がないと、お部屋を紹介するのも難しいです…
なんてことを言われたこともあり、駐車場を後から増やす、ということをしてみました。
やはりこの物件は駐車場ができたことによって入居率はアップしました。
このように、何が足りないのか、何か競合物件より劣ってしまっているのか、ということから改善点を見つけていくのも有効な空室対策です。
ぜひ退去理由もあわせて確認しつつ、改善できることがないか探ってみてください。
関連記事:空室対策としてのインターネット使用料無料は本当に意味があるのか