地方の築古アパートを中心に戸建てや区分マンションにも投資をしています。
投資歴は10年を超えました。
こちらでいくつか記事を書いていますが、今現在、家賃滞納が続いて突入してみたらゴミ屋敷だった、という案件が2件続いて発生しています。
基本的に新しく入居していただく方は、収入的に厳しそうだなと思ったら保証会社を通してもらうようにしています。
地方の築古アパートとなると、どうしても家賃はかなり安くなってきますので、入居者さんも生活保護受給者だったり外国人の方だったり様々です。
ですが、オーナーチェンジの場合は、私がその物件を所有する前から入居していた入居者というのが多くいます。
長く住んでいる入居者の場合は、細かくデータが残っていないことも多く、保証会社を通していないこともまた多いです。
今回は家賃滞納が続いている入居者がまた発生し、滞納期間は3ヶ月。
また訴訟の準備をしなくてはいけないのか、と頭を抱えています。
強制退去は簡単じゃない
一般的に、家賃の滞納が続いたからといって、すぐに強制的に退去をさせられるわけではありません。
入居者から「退去します」という申し出があれば良いのですが、
それがないままに家賃滞納をされている場合は、
- 支払いの督促をする
- 連帯保証人に連絡する
- 内容証明郵便で督促する
- 任意の明け渡し請求
- 法的手続き
- 強制退去
というように、手順を踏まなければなりません。
賃貸契約が続いている以上、勝手に荷物を出したりすることもできませんし、
法的手続きをとって、強制執行とならないと、お部屋を取り戻すことができないのです。
家賃を長い間滞納されているからといって荷物を勝手に出したりすれば、オーナー側が訴えられかねません。
そしてそれで訴えられたら確実に負けます。
日本の法律というのは、どうにも入居者を手厚く保護するように出来ていますよね。
オーナーの立場が弱く、困ることが多いです。
保証会社さえ入っていてくれれば、まだ良かったのですが…
関連記事:家賃滞納のまま退去の入居者…保証会社が立て替えてくれました
弁護士費用が高すぎる問題
とりあえず訴訟をしなくてはいけないので弁護士さんに相談してみたのですが、
大体全部で100万円ほどかかるという回答が来ており、すくみ上がっております。
きっと訴訟を起こしても入居者には支払い能力がないですから、自己破産されてしまえば滞納家賃分を回収することはできません。
さらには現状ゴミ屋敷になっているお部屋の清掃もしなくてはいけない。
一つのお部屋は電気・ガス・水道などのライフラインも止まっており、糞尿垂れ流しという状態なので、通常のクリーニングではどうにもならないと思います。
それらを全部合わせると相当な費用がかかってくると思いますが、訴訟を起こさなければ手を付けることもできないのです。
そして訴訟をしても、何もプラスにならない。
お金ばかりがかかるのが、家賃滞納からの夜逃げなのですよね。
もう滞納している家賃払えなくていいから、「退去します」という一筆だけ書いてくれればそれでいいのですが…
それを確定させるための裁判、と考えると本当にメンタル的につらいです。
関連記事:夜逃げされた大家の悲痛な叫び…
「本人訴訟」というやり方があるらしい
相手の居場所がわかっていて、連絡もつき、
契約書や内容証明の控えなどの書類も揃っている場合は、自力で裁判にチャレンジする本人訴訟というやり方もあるそうです。
建物明渡請求を自分でやる、という方法です。
訴額が合計140万円以下の場合は簡易裁判所、もしくは地方裁判所。
140万円を超える場合は地方裁判所に訴えを提起します。
訴状の書式はネットで検索すると出てきます。
簡易裁判所に提出する訴状なら裁判所のホームページに掲載されている書式を使用できるそうです。
訴状を提出して受け付けられた後、
通常1ヶ月半程度で裁判所から連絡があり、1回目の裁判日時(期日)と法廷を指定され、その日が来たら直接法廷に向かうのだそうです。
当日裁判官に契約書原本や内容証明の控えを見せる必要がありますので、必要書類は一式持っていくのだとか。
相手の賃借人が裁判に来なければ、訴状が相手に送達されているのに答弁書(訴状に対する反論等の主張を記載したもの)の提出もなく相手が欠席した場合は、だいたいオーナーの言い分通りの判決となり、戦わずして勝訴ということが多いようです。
勝訴となれば、強制執行の手続きを取ります。
勝訴しても支払いがない、退去してもらえない場合は建物明渡の強制執行申立てをすると退去させることができます。
こちらも裁判所のホームページに申立書類があります。
動産執行の申立て,不動産引渡(明渡)執行の申立て,保全処分の執行の申立てに必要な書類等
これらを自分で行うとなるとハードルは高くなるかもしれませんが、それでも100万円以上弁護士費用がかかることを考えると一つの方法として視野に入ってきますね。
また続報があればこちらで記事にしたいと思います。
関連記事:【実録】4LDKの区分マンションで退去が…!修繕費見積もりに現地へ行ってきました