地方の築古アパートを中心に、区分マンション、戸建てにも投資をしています。
投資歴は10年を超えました。
10年以上不動産投資をしているとそれなりに色々なことがありますが、タイトル通り、最近はかなり大型のトラブルが2件立て続けに起こりました。
どちらのお部屋も家賃滞納が数ヶ月続いており、管理会社さんと相談して、警察に相談し、立会いをお願いして一緒に入室したところ、どちらもゴミ屋敷状態に。
そもそもゴミがひどい状態なので、廃棄業者にお願いするだけでもかなりの値段かかります。原状回復費用はざっと見積もっても100万円以上かかってきそうな感じです。
残念ながらオーナーチェンジ物件で手に入れたもので、どちらも入居は長く、私が物件を購入した時点ですでに入居されていたお部屋。
当然家賃保証には加入していただいていません。
前者は本人と接触することができたのですが、また連絡が取れなくなっていますし、
後者は接触すらできていない状況です。
明け渡し請求の訴訟
今回のケースでは、家賃滞納がずっと続いているという状況で、入居者とは意思の疎通が上手くとれていません。
そのため、まずは賃貸借契約を解除するために、明け渡し請求のための訴訟を行わなければなりません。
これがないままだと、どんなに家賃を滞納されていても、オーナーは何もすることができないのです。
お部屋に入ってお部屋の中がゴミ屋敷だったからといって、それを勝手に処分することはできません。
お部屋の中のものを勝手に動かしたり、処分したりしたら、逆に入居者から訴えられる可能性があります。
それは他人の所有物を勝手に動かす、勝手に捨てる、ということですからね。
そのため今回のケースは、まず賃貸借契約を解除するために明け渡し請求の訴訟が必要になります。
結局訴訟を起こしてもこちらには何も得にならないので憂鬱ですね。
マイナスをゼロにする作業、という感じです。
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退去通知さえあれば、訴訟をしないという選択肢も…
退去通知があった上で中身がゴミ屋敷だった、という状態であれば、訴訟をしないという手もあります。
訴訟を起こしても判決などが出て色々片付くまでに最低でも2ヶ月はかかります。
場合によってはそれ以上になることも多いです。
その上、こういったケースでは入居者自身に支払い能力がないことが多いですので、裁判に勝ったからといって、損失分を回収できるとは限りません。
自己破産されてしまえばそれまで、ということになります。
かかる労力と時間を思えば、訴訟をしないという選択肢もアリですし、実際にそういう選択をされるオーナーさんもいらっしゃいます。
どうにも日本の法律というのは入居者に有利で、オーナーが泣き寝入りとなることが多いですよね。
家賃保証会社にさえ入っていてくれれば、補償が受けられるのですが、今回はそれもなく、訴訟も必要な上にそれで得するものは何もありません。
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なるべく話し合いに応じて欲しい
入居者さんからすると、「このまま少しでも逃げ続けた方がいいのではないか」という思考があるのだと思うのですが、
実際のところは話し合いをしっかりしてもらった方が、入居者さんのためにもなると思います。
確かに退去を突きつけられたらもう行き場がない、というのもあるのかもしれませんが、
例えば生活保護をもらうようにして、そこから家賃を払うことにするから、何ヶ月待って欲しい、とかそういう提案があれば、こちらも訴訟まで起こさなくて済むと思うんですよね。
連絡が取れなくなって、そのまま放置となってしまうと強制執行のために訴訟に向けて動くしかなくなってしまいます。
生活保護を受けていただければ、その金額の中で家賃も払うことができると思うのですが…
私自身、生活保護受給者の方の受け入れも多数行っています。
生活保護を受けられている方の方が、毎月安定したお金が入ってくるので安心、という考え方もあります。
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強制執行へ向けて
強制執行に向けて、今は管理会社さんの弁護士さんとも相談させて頂いて動いているところです。
訴訟になれば、家賃滞納がずっと続いているので、こちらが負けるということはないでしょう。
そうなると当然入居者の方はブラックリスト入りとなり、またお部屋を借りるということが難しくなります。
できればそうしたくないですが、管理会社の方もどうにか連絡を取ろうと頑張ってくださっていて申し訳なく、放置していれば損失が増える一方なので進めるしかない状況です。
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