不動産投資ではお家や部屋の賃貸だけでなく、土地を貸し出す、ということもあります。
そうなった時に悩むのが「いくらで賃貸するか?」ということですよね。
土地はそれぞれに個性があるもので、所有している土地と同じ土地は他に存在しません。
同じような条件に見えても、実は思っていたより全然高く土地を貸し出すことができる場合もあります。もちろんその反対もありますけどね。
土地を貸す時の地代の相場はどのようにして導きだしたら良いのでょうか?
地代(ちだい)って何?
土地を貸して土地を借りている人からもらう賃貸料のことを地代(ちだい)と呼びます。
地代は毎月借主から受け取るのが一般的ですが前払賃料方式を選択した場合は、まとめて地代を回収することができます。
土地を貸すだけで収益を得ることができるので、もっともシンプルな土地活用法と言えるでしょう。
上物を建てる必要がないので、土地を所有していれば初期投資も必要ありません。
また地代は「不動産所得」に分類されますので、所得税以外には消費税などの税金はかかってきません。
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公租公課倍率法で相場を考える
土地の借地料の相場を考える方法として一番スタンダードなのが公租公課倍率法という方法です。
土地の賃貸相場は「1年間の公租公課の3倍〜5倍」です。
公租公課とは固定資産税・都市計画税のことを指し、
固定資産税と都市計画税を合計したものの3倍〜5倍が年間の借地料の相場となります。
月額を求める場合は
{(固定資産税)+(都市計画税)}×3〜5÷12ということですね。
ちなみに裁判などでもこの方法を選択し相場が決まることが多いです。
- 固定資産税の求め方は固定資産税評価額×1.4%
- 都市計画税の求め方は固定資産税評価額×0.3%
です。
合わせて固定資産税評価額×1.7%ということになります。
それらの3〜5倍なので、5.1%〜8.5%。
つまりもっと簡単にな式にすると、土地の着地代の相場は
固定資産税評価額×(5.1%〜8.5%)ということになりますね。
固定資産税評価額が1000万円の土地なのであれば、年間借地料は50万円〜80万円が相場、という感じです。
それ以外の土地賃貸価格相場の算出方法
公租公課倍率法が最もスタンダードな相場の計算方法、ということで先に紹介しましたが、この方法以外に
- 積算法
- 賃貸事例比較法
- 収益分析法
という3つの方法があります。
それぞれ解説してみたいと思います。
積算法
積算法とはその名の通り、「積み重ねて算出していく方法」です。
積算法では以下のような式を使って相場を計算します。
地代=更地価格×期待利回り+必要経費(公租公課)
ここで期待利回りは一般的に2%と設定されることが多いですが、どれくらいに設定するかはオーナーの自由なので、もう少し高めに設定するのもアリです。
この方法で計算すると、更地価格が1000万円の土地だった場合、
1000万円×2%+1000万円×1.7%=37万円となります。(年間賃料)
公租公課倍率法では基準として固定資産税評価額を用いましたが、積算法で用いられるのは更地価格である、という部分だけ注意が必要です。
更地価格というのは、「この土地を更地にして売却した時にいくらになるか」という価格のことを指します。
国が決めている固定資産税評価額とは異なります。
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賃貸事例比較法
こちらは名前の通り、周辺の賃貸事例と比較して相場を決める方法です。
土地を貸している例を探して、だいたいどのような金額で賃貸しているのか、ということを調べて相場を考えます。
ただし、場所によってはあまり例が見つからないこともありますし、
土地は周辺にあってもちょっとした条件によってかなり内容が変わってくるものです。
比較する時は
- 駅からの近さ
- 景観
- 地盤
- 周辺施設
などを参考にしてみると良いかと思いますが、あくまで判断材料の一つ、くらいに思っていた方が良いかもしれません。
路線価などを参考にすることが多いです。
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収益分析法
収益分析法では、「この土地に建物を建てた場合、どれくらいの収益が出るのか」ということを想像して土地の賃貸料を決めていきます。
土地に対してアパートなりマンションなりを建てた時の年間の収益を考えて、だいたいその収益の2〜3割くらいを目安にすると良いのではないでしょうか。
こういう方法もある、ということで一応紹介はしましたが、不動産に詳しくない人がこの方法で相場を計算するのはかなり難しいです。
どのような人がその土地にどんな目的でどんな建物を建てるかによっても変わってきますからね。
ただ、土地の相場を知りたい時にこれだけ方法がある、ということを知っておけば、
とりあえず全ての方法で金額を出してみて検討することができるかと思います。
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