不動産管理

原状回復のチェックリスト!退去時は何を見るのか

地方の築古アパートを中心に、中古戸建て、中古区分などにも投資をしています。

投資歴は10年を超えました。

今回は原状回復について。

毎年新年度前の時期は入退去が多く、不動産業界は繁忙期と言われている時期です。

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特に学生向けの物件なんかは、どうしても入居と退去が重なり、とんでもなく忙しいですが、

退去がある時にトラブルになりやすいのが原状回復まわりですね。

退去する段階になってみないとお部屋の中がどうなっているか分からない。

いざ退去立会いが入って蓋を開けてみたら、壁に穴が…みたいなこともよくあることです。

私の場合は、退去時に入居者が内緒で猫を飼っていた、ということもありました笑(もちろんペット飼育不可の物件です)

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退去があった時の原状回復のためのチェックリストをご紹介したいと思います。

退去立会いで確認する項目

不動産投資家の方は管理会社さんに管理をお任せしている方も多いと思いますので、

退去立会いで直接自分が出向く、ということは少ないかと思います。

基本的には管理会社の方が退去立会いをしてくださいます。

ではその退去立会いではどんなところを見るのでしょうか。

原状回復チェックリスト
  • フローリング(へこみやキズ、汚れがないか)
  • クロス(キズや汚れがないか)
  • ドアや窓の開閉がスムーズか
  • たばこの臭いはしないか
  • 動物を飼っていた形跡はないか(動物不可物件や条件付き物件など)
  • 網戸の破れ
  • ウォシュレットやエアコン、換気扇といった設備の確認
  • その他壁のへこみなど、目立つ大きな損壊はないか

国土交通省が掲載している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の中に 入退去時の物件状況及び原状回復確認リストというものもありますので、これもぜひ参考にしてみてください。

参照:国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)のダウンロード

経年劣化は貸主負担、という考え方

退去時の原状回復まわりのことはトラブルに発展しやすいポイントです。

お部屋を原状回復していくのに、どこまでが大家である貸主の負担で、どこまでが入居者(借主)の負担なのか、というところが、明確にはどうしても分けられない、というのが一番の原因ですね。

こららのトラブルが頻発していることから、

国土交通省では「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」というものを定めており、基本的にはこの内容に従って、どこまでを貸主負担とし、どこからを借主負担とするのか、ということを決めています。

法的強制力があるものではありませんが、一般的な基準を示したものとなっており、

こちらのガイドラインでは、経年劣化と通常損耗によって発生する修繕費用は原則として大家である貸主の負担するものとしています。

経年劣化とは、

年月が経つにつれて品質が下がることを指しており、

たとえば、日光があたり続けると壁や床が色褪せたり、風や湿気によってゴムやネジが傷んだり、といったところです。

また通常損耗とは、

ベッドやソファなどを置くとできてしまう床やカーペットの凹み、冷蔵庫やテレビなどの家電製品の裏側にできる壁の電気焼けといったもので、普通に生活していたらできてしまう損耗のことを指します。

原状回復に特約などをつける場合は別ですが、

基本的にはこういった経年劣化と通常損耗によるものは、貸主である大家負担ということになっています。

関連記事:クリーニング特約の有効性はある?敷金精算で揉めないために

経年劣化と通常損耗によるもの以外は、借主に請求できる?

経年劣化と通常損耗による価値の減少は、内装材や設備の耐久年数と入居年数を踏まえて考え、退去時の残存価値を割り出して考えます。

たとえば、クロス。壁紙部分ですね。

このクロスはガイドラインを見てみると、耐久年数は6年ということになっています。

クロスを張り替えるのに10万円かかるとして、

たとえば入居者が3年しか住んでいなかった場合、耐久年数の半分しか住んでいないので、請求できる金額は5万円、ということになります。

ですが、実際には3年くらいしか住んでいない場合はクロスは貼り替えないことが多いですね。

数年ではそこまで悪くなりませんので。

経年劣化ではなく、

  • 水漏れ放置によるカビの発生
  • 子供の落書き
  • タバコやペットによる汚れ、臭い

などが見受けられる場合は、入居者の故意過失による損耗と判断できますので、クロスの張り替え費用を請求することができます。

このように、退去立会いの時は、

  • 経年劣化、通常損耗によるものなのか
  • 入居者の故意過失によるものなのか

というところをチェックしていきます。

そういえば退去後のお部屋をこの前私も見に行ってきたのですが、壁に穴が空いていた…ということがありました笑

壁に空いた穴

もちろんこの穴については何も聞いていません。

こちらは入居者さんに修繕費用を請求しています。

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本来は自分の目でお部屋をチェックしたいところですが、全てのお部屋でそれをやっているわけにはいきませんので、基本的に管理会社の方にお願いすることとなります。

関連記事:【実録】原状回復の修繕費をなるべく安くオーダー

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