不動産投資を行うときに仲介業者に支払う広告料というものがあります。
この広告料は不動産投資において入居付けを行う上でとても重要な要素です。
ただしこれは絶対に払わなくてはいけないというものではありません。
オーナーから仲介業者に支払うインセンティブのようなものです。
だからこそその仕組みや相場がなかなかわからず、どのように扱ったらいいのか悩んでいるオーナーも多いでしょう。
今回はこの広告料について解説してみたいと思います。
広告料とは
広告料はオーナーが入居付けを行ってくれた仲介業者に支払うものです。
不動産広告料という言い方もありますし、広告という意味の英語「advertisement」を略してADと表記することもあります。
仲介手数料では補いきれない特殊な広告などを行った場合にかかる費用に対してオーナーが仲介業者に支払うお金なのですが、
実質的にはインセンティブのような位置づけになっていることが多く、お気持ち的に払うことが多いです。
不動産繁忙期は入居者の流動性が高くなるため広告料を払わないこともありますが、
ずっと空室だった部屋が埋まった場合や、閑散期に入居が決まった際に広告料を支払うことがあります。
関連記事:不動産の仲介手数料はいつ、誰が払うの?
仲介手数料と広告料の違い
広告料は仲介手数料とは違うものという扱いになっています。
仲介をしてくれた仲介業者に仲介手数料を支払うのは一般的なことですが、この仲介手数料は法律によって上限が決められています。
- 借主が家賃の50%の仲介手数料を支払う場合は貸主から貰える仲介手数料は家賃の50%まで
- 借主が家賃の100%の仲介手数料を支払う場合貸主からは仲介手数料はもらえない
- 借主から仲介手数料をもらわない場合貸主から貰える仲介手数料は家賃の100%まで
このように仲介手数料の上限が宅地建物取引業法で決められているのです。
つまり仲介業者は誰からもらうにせよ、合計で家賃の100%までしか仲介手数料をもらうことができないということですね。
「依頼者から特段の広告などの要請があった場合その広告料など合わせて請求できる」という抜け道のような規定が宅地建物取引業法にあります。
つまり仲介手数料は支払った上でさらに支払うのが広告料というわけです。
支払わなくてはいけないものというわけではないので全てのオーナーが支払っているわけではありません。
ただしだからこそ他のオーナーと差別化ができるポイントでもあります。
関連記事:不動産投資の空室リスクを回避するために行うべき3つのこと
広告料の相場は?
広告料の相場ですが大体都心近郊であると概ね家賃の1ヶ月文から2ヶ月文の広告料をつけることが多いです。
ただこれは地域によって差が結構あって、例えば不動産の激戦区である札幌なんかでは広告料が1ヶ月から4ヶ月分となっていることもあります。
札幌の場合はワンルームだと家賃が1万円台というところもありますから、東京で想像するような家賃とは相場が違うので、4ヶ月分になってもものすごい料金になるというわけではないですが
結局その値段でしかお部屋を貸すことができないことを考えると広告料4ヶ月分というのもなかなか高い気がします。
不動産投資を行う場合はその地域で不動産投資をするのが本当に良いのかどうかということも先に調べておきたいところです。
関連記事:不動産投資で地方物件に投資する時のメリットデメリット
地方は特に広告料必須
特に地方での不動産投資の場合は広告料が必須になってくるように思います。
というのも都市エリアは賃貸需要が高いので不動産業者もたくさんあります。
地方に行けば行くほど不動産業者の数は少なくなるので、競合性が低くなり、オーナーにとって不利な条件になることが多いからです。
少ない不動産業者の中でどこかにお願いしなくてはいけないことを考えると、やはりこちらも譲歩しなくてはいけない条件が増えてくるでしょう。
逆を言えば、広告料のようなインセンティブの交渉したりすることができるのが地方物件の魅力とも言えるのではないでしょうか。
不動産業者と良好な関係を築こう
不動産はネットで簡単に取引ができる株のような投資商品とは違って、広告料など一筋縄ではいかない部分が多い気がします。
でもだからこそそういった予測できない部分が楽しくて不動産投資をやっているというオーナーは多いです。
仲介を行ってくれる不動産業者は、不動産投資を手伝ってくれるパートナー的な存在です。
なかなか広告料の設定の仕方は難しいかもしれませんが、良好な関係を築くことができれば楽しく不動産投資をしていくことができるでしょう。
単純に投資商品のやり取りをするだけではなく、人と関わり合いながら投資をしていくことができるというのが不動産投資の魅力なのではないかなと思っています。