不動産投資初心者の方に対して悪質なセールストークをする不動産業者もたくさんあります。
不動産業界はまだまだアナログなところが多い業界でもあり、法整備もそこまで進んでいないため、いくらでも悪質なセールストークができてしまうという背景があるのです。
今回は不動産投資初心者にぜひ気をつけてほしい悪質なセールストークのあるあるについて解説してみたいと思います。
「自己資金ゼロで買えます」
「不動産投資には興味があるけどあまり貯金がないから」という人も多いのではないでしょうか。
そういった人向けに、「自己資金ゼロでも物件を買えます」というセールストークをする不動産業者がいます。
これはもちろん嘘ではないのですが、自己資金ゼロで不動産投資をするのはとてもリスクが高いです。
というのも自己資金がゼロで不動産投資を始めるということは、投資にかかるお金を全て銀行などの金融機関から融資してもらうということです。
つまりフルローン。中には初期費用なども含めてローンを組むオーバーローンなどもあります。
ですが土地に関しては良いものの建物部分に関しては、年月とともに経年劣化していくものになります。
不動産は10年経ったら必ずどこかしら修繕を行わなくてはいけない箇所が発生するものです。
中古不動産に投資をするのであればもっと早い段階で修繕を行わなくてはいけなくなるでしょう。
そういったときに手元に資金がなければ修繕を行うことができません。
普通であれば素早く対応しなくてはいけない部分なのに、修繕を行うことができないからさらに入居付けもできなくなり、空室がどんどん増えていく…というような悪循環を生み出すことがあります。
修繕だけでなく例えば屋根が落ちたり、物件の損壊などで入居者が怪我をしてしまったというようなことがあれば急にまとまったお金が必要になることもあるでしょう。
火災保険が適用される場合もありますが一時的にお金を支払わなくてはいけないこともあります。
そういったことを考えると自己資金ゼロで不動産投資を始めるというのはとても危険なことなのです。
ほとんどの場合が自己破産に追い込まれると言っても良いでしょう。
「サブリースすれば、空室でも大丈夫だし不動産知識も要らない」
購入した賃貸住宅を一棟丸ごと借り上げて、賃貸経営を代わりにやってくれるのがサブリースです。
手数料を払うことで、空室が出た場合も家賃を振り込んでくれるというのがサブリースの売りなのですが、サブリースという仕組みで会社が回っているということはつまりサブリースで儲けが出るということです。
サブリース会社が途中で倒産してしまったり、勝手に家賃を下げられてしまうということがあります。
結局これによって赤字になってしまうということが多いのがサブリースの怖さなのです。
またサブリース会社側からサブリース契約を解約するのは簡単なのですが、オーナー側から一方的にサブリース契約を解約するというのが難しくなっています。
空室のリスクもなくなる市不動産についてあまり勉強しなくてもサブリースであれば大丈夫ですよというセールストークには絶対に乗ってはいけません。
不動産投資をするのであれば不動産の事は学ばなくてはいけないですし、それを楽しいと感じられないと不動産投資で成功するのは難しいと思います。
よく不動産投資は不労所得だと言われるのですが、私は不動産投資は不労所得ではないと思っています。
不動産投資をうまくやっている人達は、やはり不動産に詳しいですしかけている時間も段違いです。興味をもって不動産のことをいつも調べています。
勉強しなくてもいいというような考え方で不動産投資に手を出すのであれば、そもそも不動産投資には向いていないのではないかと思います。
関連記事：サブリース（家賃保証制度）のメリットデメリットを解説
「まだ表に出てない情報です」
不動産業界はアナログな業界なので実は「まだ表に出ていない情報です」と言って物件を紹介してもらうことは多々あります。
不動産業者と関係性があるオーナーはほとんどが実際こういった流れで不動産を購入していることが多いです。
できれば関係性を築けているオーナーに買ってもらった方が不動産業者としても都合が良いですし、物件の情報を出しているのになかなか買い手が決まらないという状況になると長い間募集が出ている出回り物件だと思われてしまうので、余計に物件が売れなくなってしまうんですね。
内々に話を進めるという慣習が確かにあるのです。
しかし不動産投資初心者に対してそういった情報の出し方をすることはなかなかありません。
不動産業者にとっても初心者に買ってもらうよりは関係性のあるオーナーに買ってもらった方が良いはずです。
つまりこれは、関係性のないオーナーである場合は完全なるセールストークなんですね。
とはいえ属性が良くて「この人にぜひ買って欲しい」と不動産業者側が思えるオーナーであればを言った物件の紹介の仕方をすることもあるかもしれません。
そういうセールストークがあるということを念頭に置いた上で、その物件が本当に自分にとって良い物件であるかどうかということを冷静に吟味できるようにしておきましょう。
関連記事：不動産投資物件の探し方！初心者は何から始めればいい？
不動産売買契約にもクーリングオフがある
契約を結んでしまった後でもクーリングオフによって契約を解除することができます。
その場合は以下の条件を満たしている必要があります。
クーリングオフ対象期間：8日間
対象：宅建業者が売主である物件の売買契約
条件：事務所等以外の場所で契約をした場合
悪質なセールストークをする不動産業者もたくさんありますので、常に騙されているのではないかということを考えながら話を進めていきましょう。慎重になり過ぎるということはありません。
関連記事：不動産投資における現金購入をあまりおすすめしない理由