自身が所有している賃貸物件の鍵は自分で管理した方が良いのでしょうか?
その管理をめぐってトラブルになってしまったり、入居者に不信感を与えてしまうこともあります。
今回は「大家が合鍵を持っているべきなのか」ということについて解説していきます。
合鍵は大家と不動産業者、どちらが持ってる?
基本的に、管理を不動産管理業者に委託している場合は、不動産管理会社が合鍵を管理していることが多いです。
逆に自主管理をしている大家の場合は、大家側で合鍵を持っているのが一般的です。
中には管理会社と大家で1本ずつ合鍵を持っている、ということもありますね。
しかし所有している賃貸物件の近くに大家が住んでいる、もしくは賃貸併用住宅として大家も同じ建物に住んでいる、というケースではない限りは
大家が合鍵を持っていても仕方ないところもあります。
不動産管理会社や大家が管理している合鍵というのは緊急時に使うものですから、緊急時に駆けつけられない場所で生活をしている大家が合鍵を持っていても仕方ないのです。
また、「緊急時に合鍵がどうしても必要になって不動産業者に連絡したが、不動産業者から合鍵は持っていないと言われてしまった」という入居者の声もありますが
それは不動産業者が「仲介」だけしかしていない場合があります。
物件を紹介してくれる不動産仲介業者と、物件の管理をしてくれる不動産管理会社が同じ会社であることもありますが
仲介と管理は別の会社、もしくは管理は大家が行なっている、ということもありますので
入居者は物件の管理をどこが行なっているのか、ということを調べた方が良いでしょう。
大家は緊急時に合鍵を使える
合鍵を大家の方で管理している場合、
緊急時には大家は合鍵を利用してお部屋に入ることができます。
とは言っても、緊急時というのはごく限られた時のみであり、
入居者の許可なく勝手にお部屋に入った場合は大家であっても不法侵入になります。
ここでいう緊急時とは
- 火災が発生した時
- 入居者と連絡がとれない、などの連絡が家族からあり、お部屋の中で遺体になっている可能性がある場合
- ガス漏れしている可能性がある時
といったような時です。
緊急性が認められない時、例えば
- お部屋の使用状況を確認したい
- 新しい入居検討者に部屋の間取りを見せたい
- エアコンや給湯器などの設備が壊れた
というような場合に、入居者の許可なく合鍵を使ってお部屋に入った場合は刑法130条の住居侵入の罪に問われる場合があります。
もちろん物件自体はオーナーの所有物ですが、入居者に貸しているお部屋なわけですから
節度を持って入居者と接していくようにしましょう。
入居者にとっては不安に感じる面も
中には設備の修理などで立会いが必要な場合に大家が代わりに対応して施錠までしておく、というようなことをする大家もいて
それに不信感を抱いてしまう入居者もいます。
確かに消防設備点検などでは大家や管理会社の社員が合鍵を使って立会いを行う、ということもあるのですが
これはあくまで「入居者の許可があった上」でなければ認められません。
自主管理をしている大家の場合は、気軽に入居者への断りなくお部屋に入ってしまう人もいるようですが
それは犯罪です。
それによって入居者に不信感を与えてしまい、結果的に退去につながる、ということもありえなくないので
入居者の気持ちを汲んで管理をしていくことができるように配慮しましょう。
合鍵はあくまで「緊急時に使えるもの」と思っていた方が良いですし
いたずらに「こちらでも合鍵を持っています」というような言い方は入居者にはしない方が良いです。
関連記事:消防設備点検はアパートなら必須!どういうものなの?
合鍵の勝手な作成は禁止
ちなみに入居者は、賃貸物件の合鍵を許可なく作ることは禁止されています。
また自分の判断で鍵を交換することもしてはいけません。
これは賃貸契約を結ぶ時に説明があることかと思いますが、
お部屋もお部屋の鍵も、基本的には大家の所有物であり、入居者の所有物ではないので勝手に合鍵を作ることはできないのです。
あくまで入居者はお金を払ってお部屋を貸してもらっている立場であり、お部屋の所有権が入居者にあるわけではありません。
勝手に合鍵を作って、それを渡してしまったがために犯罪に巻き込まれるような可能性だってあるわけです。
特に恋人に合鍵を渡して、のちのちにトラブルとなってしまうケースは少なくありません。
もしどうしても合鍵が必要な場合は、大家さんにきちんと目的を伝えた上で合鍵を作ることを了承してもらい、
退去時に作った合鍵も含めて全ての鍵を返却する必要があります。
ちなみにピッキングされにくいディンプルキーを使っている物件の場合は、
合鍵を作ることができる業者が限られていて、合鍵を作るのに5000円ほどかかる場合もあります。
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入居者の生活の安全を守るために合鍵の取り扱いには細心の注意を払う必要があります。
不安な場合は管理会社に管理を一任してしまった方が良いでしょう。