不動産投資をする時に、中小企業や個人事業主が金融機関で融資を受ける場合は、
「保証協会を利用する形ならOK」というパターンがあります。
その場合は保証料というものを支払うことになります。
今回はこの、融資を受ける際に利用する保証協会と保証金について解説してみたいと思います。
融資の際に利用する信用保証協会とその保証料
中小企業や個人事業主などが金融機関から事業資金の融資を受ける際、
信用保証協会という機関に保証人になってもらうことができます。
この信用保証協会とは、中小企業や小規模事業者の金融円滑化を目的としている公的機関で、信用保証協会法という法律に基づいて設立されています。
各都道府県にあるもので、東京には東京信用保証協会があります。
信用保証協会に保証人となってもらう時に支払う費用が信用保証料で、
融資の返済ができなくなった時は、信用保証協会が代わりに返済(代位弁済)をするので、事業者は保証人や担保を用意できなくても融資を受けられるというわけです。
融資を受ける際は信用保証協会に対して補償の申し込みを行い、
信用保証協会が企業の事業内容や経営状況などの審査を行って、それに通れば金融機関に保証の承諾を行います。
保証料率というものがあり、企業の業績や信用リスクによってこの料率が変わります。
保証料の支払いは原則として一括払いですが分割払いの相談もできます。
返済ができなくなったら、信用保証協会が金融機関に対して代わりに返済(代位弁済)をしてくれます。
ただ代位弁済を行っても債務は残りますので、金融機関ではなく信用保証協会へ引き続き返済をすることになります。
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信用保証協会を利用するメリット
中小企業がたとえ事業に失敗して倒産したとしても、保証協会が代位弁済をしてくれるので銀行は資金を確実に回収できるため、融資のハードルが下がります。
そのため、保証協会を利用することによってより融資を受けやすくなる、というメリットがあります。
さらに、20年などの長期の借入もできるようになる場合があります。つまり融資条件が良くなる、ということですね。
法人の場合は代表者以外の連帯保証人は必要なく、
個人事業主の場合は連帯保証人不要、担保がなくても利用することができます。
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利用するには企業規模に条件がある
信用保証制度は中小企業や個人事業主など、小規模事業者の金融円滑化を目的としている機関のため、一定の規模以下の事業者じゃないと利用することができません。
資本金や重要因数のいずれかが下記表に当てはまっている企業でないと利用できないのです。
業種 | 資本金 | 従業員数 |
---|---|---|
製造業等 | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
小売業・飲食業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
医療法人等 | – | 300人以下 |
ただし、政令特例業種については条件が異なり、下記の表のようになります。
業種 | 資本金 | 従業員数 |
---|---|---|
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業ならび工業用ベルト製造業を除く) | 3億円以下 | 900人以下 |
ソフトウエア業、情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
宿泊業(旅館業を除く)、娯楽業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
旅館業 | 5,001万円以下 | 200人以下 |
個人事業主の場合は、従業員数のみが当てはまれば良いことになっています。
また、業種によっては利用できない業種もありますので、確認が必要です。(東京の場合は東京信用保証協会『信用対象外業種』をご覧ください)
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融資保証料はどうやって決まる?
融資保証料は保証料率というものをかけて計算されます。
保証料率は0.45%〜1.90%の間で9段階に区分されており、下記のようなものを指標として決められます。
- 保証資格 …規模や業種などの各要件が満たされているか
- 資金使途 …借り入れの目的や必要性、効果など
- 返済能力 …資金繰りや資金調達力、財務諸表などが見られる
- 経営者 …経営者の経営力、経営意欲、信頼性
- その他 …将来性など
加えて、審査には「中小企業信用リスク情報データベース(CRD)」も利用されます。
さらに、以下のような場合は割引が適用されることがあります。
- 担保を入れる
- 会計参与を設置している旨の登記事項証明書を提出する
- 公認会計士または監査法人の監査を受けたことを示す監査報告書のコピーを提出する
さらに、お住まいの地域によっては、自治体が保証料を負担してくれるような制度があったりもするので、そういった制度を利用することができないか、ということも調べて見ると良いでしょう。
不動産投資の規模を拡大していきたい場合や、融資をすでに引いているけど更に引くことはできないか?と考えている方は保証協会を使うのも手だと思います。