売買知識

家賃下落率はどれくらいで考えればいいのか?

不動産投資を行う場合はいろいろなリスクについて考えなくてはいけません。

その中で今回は家賃下落リスクについて解説してみたいと思います。

築年数が経てば経年劣化によって建物部分には価値が無くなっていきます。

当然家賃も下げていかないと入金が決まらないという状況になってくるかと思います。

そういったこともきちんと想定してシミュレーションをしていかなくてはいけないですよね。

家賃下落率の平均

1年あたりに家賃が下がる割合というのは一般的に1%前後だと言われています。

そのためシミュレーションをする時は家賃下落率は1%で計算されることが多いですね。

ちなみに総務省の研究によると平均で家賃下落率は0.8%ほど低下という結果が得られています。

マンション投資の営業トークでは、このような家賃下落率のことが考えられていない場合や、そもそもの家賃設定が高すぎることがよくあります。

特に不動産投資初心者は家賃下落率がどれくらいなのか、ということを計算するのが苦手だと思いますので、ここら辺はなるべく慎重に考えてほしいところです。

1%と聞くと小さい数字のように感じるかもしれませんが、その数字が毎年落ちていく、さらに毎月の家賃収入に影響するということを考えると、楽観視できない数字であることがわかるかと思います。

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家賃相場は周辺相場にも影響される

家賃下落の要因は経年劣化だけでなく周辺相場による影響もあります。

これは経年劣化のように予想が立てやすいものではありませんので、エリアの特性を理解して物件を購入しないと、突然周辺相場が落ちてしまうというリスクがあります。

購入を検討している物件があるエリアの人口推移がどれくらいなのかということも調べてみましょう。

将来的に人が入ってくることが予想できないようなエリアの場合は、経年劣化だけでなくエリアの要因も相まって家賃が下落していく可能性が高いです。

また地域の不動産屋さんに話を聞くのも重要です。

その土地のことは地域の方が一番良く知っていますから、話を聞くと、今度新しいバスターミナルができるというような有用な情報が得られることがあります。

逆に大きな工場が潰れるというような話がある場合もあって、雇用の要因となっているものがなくなると人口も流出してしまうことが予想されますから、そういったエリアは避けたいですね。

関連記事:不動産投資をするのに危険なエリアってあるの?

新築は下落率が高い

物件新築後の10年間が最も家賃の下落率が高いです。

当たり前ですが新築には新築ブランドがつきますからね。日本の新築信仰というのは根強いものがあります。

新築の物件の場合は築3年から10年程度は1年あたりの家賃下落率が約1.7%程度となります。

築20年以上経ってくると下落率が安定してくるような感じですね。

逆を言えば築20年以上の中古物件であれば家賃下落率をそこまで気にすることなく所有していくことができるということです。

ただ利便性が高いエリアで新規供給が少ないような場合は下落率もかなり軽減されるとは思います。

周りに新築があまり建っていないような利便性の高いエリアで新築を購入するのであれば多少家賃下落率は抑えられるでしょう。

関連記事:家賃相場の調べ方は?賃料はどうやって決めたらいい?

都心の家賃下落率は低い

やはり利便性が高く人が集まるエリアの家賃下落率は低いです。

東京都の経年劣化による家賃下落率は約0.75%程度で、全国平均の1%と比べるとかなり低めではありますよね。

下落率の高い地方エリアだと年率で1.4%ほどあるエリアもありますので、やはり都心の方がそういったリスクは少ないと言えます。

ただ、都心になるとどうしても利回りが低めなものが多いです。基本的に東京23区のワンルームマンションだと5%くらいの利回りが一般的。10%近いものが出ればかなりラッキーという印象です。

リスクも低いけれど利回りも低い都心での投資か、家賃下落率はそれなりに見極めないといけないような地方だけれど、利回りは高い投資か。

これは各々の投資スタイルによる、という感じですね。性格にもよると思います。

しかし時間と労力を割いて、自分も楽しく取り組めるのであれば、地方の物件の方が不動産投資をする楽しさを感じることはできると思います。

エリアのことを理解しようと色々なことを調べて、予測を立てて投資をしていくのは楽しいです。

逆に、将来的に安定した収入が少しでもいいから欲しい、という方が都心でよくマンション投資をされますが、よく調べないまま、物件も見ることなく購入されるパターンが少なからずあります。

このような投資方法だと失敗のリスクも高くなってしまうでしょう。

家賃下落率まで色々なパターンを想定して、細かく考えていただきたいなと思います。

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