地方の築古アパートを中心に投資をしています。
以前こちらのメディアで、「家賃滞納をされており、連絡が取れず、警察立ち会いのもと立ち入りをして頂いた」という記事を書きました。
端的にまとめると、
- 家賃滞納8ヶ月
- 連絡が取れず、孤独死の可能性もあり
- 警察立会のもと立ち入り
- 生存確認、お部屋の中はゴミ屋敷
- 水道、電気、ガスは全て停止(トイレが使えないため糞尿も垂れ流し)
- 入居者は60代前半の単身女性(多分年金暮らし)
という状態でした。
このまとめだけ見てもなかなか壮絶ですね…
その後また音信不通に
結局立ち入りのその日は「お部屋で生きていることが確認できた」ということで、滞納している家賃を回収するといったことは出来なかったわけですが、
その後管理会社の方に連絡をとってもらっても、また連絡が取れない、という状況が続きました。
再度お部屋に行ってみても、入居者の方は不在で、何も出来ない状況が続いたんですよね。
日本の法律の場合は、いくら家賃滞納をされても、「強制的に追い出す」ということができません。
それをやってしまうとオーナーの方が罪に問われてしまうのです。
強制退去させるためには、裁判所に訴えて、家賃を滞納されていること、散々催促をしても払ってもらうことができないことなどを証明しなくてはいけません。
そこで勝訴してから強制退去の手続きに入らないといけないのです。
ですが、もちろん裁判費用はオーナー負担となります。
強制退去させることができたとしても、リフォーム代もかかりますし、入居者に支払い能力がなければ、滞納家賃を回収することもできません。
つまり、必ず損をするけど、これ以上損をしないために裁判を起こさなきゃいけないのです。
日本の法律はつくづくオーナーに厳しいなと思いますね…
滞納家賃を支払ってくれなくてもいいので、「賃貸借契約を解除します」という約束だけしてもらって、一筆書いてもらうだけでもいいのですが…
そうすれば残置物を処理するだけでよくなります。
裁判となると何ヶ月もかかることになるので、それだけまた損失も増えますし、手間もかかりますよね。
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しばらく放置してみた
実は同じタイミングで家賃滞納が他にも発生しており、なんとどんどんあとから滞納者が発生して、他のお部屋でも対応が必要になっていました。
この物件は中古戸建てだったのですが、他のお部屋はアパート一棟ものだったりもしたので、戸建てよりもアパートの方が対応優先かな、と考え、こちらの案件はしばらく放置することにしました。
というのもアパートの場合は、一部屋で家賃滞納が発生していると、その一部屋のせいでアパート全体に悪影響が出てきます。
例えばゴミ屋敷になっていることで、他のお部屋に異臭などの迷惑がかかり、退去要因になることがあるでしょう。
さらに、このアパートを売却する、となった時に、家賃滞納のあるお部屋のせいで物件の価値が大幅に下がってしまうのです。
とにかくこのお部屋の家賃滞納を片付けたい。
ということで戸建ての方は放置していたのです。
戸建ての場合は金額の規模も小さいですしね。
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退去してくれた
なんと、しばらく放置をしていたら、入居者の方の知人だ、という方が管理会社さんの方に現れたそうです。
そして賃貸借契約を解除するという旨、一筆書いてくださったのだとか。
すでに荷物も全部出してくれているそうで、
もちろんここから「滞納家賃を払ってください」なんてことを言えば、また音信不通になる可能性がありますから、もうこれで解決、ということにすることにしました。
荷物は出してくれたといっても、もちろん元々ゴミ屋敷になっていたわけですから、そのお部屋をそのまま使うことはできません。
糞尿垂れ流しだったお部屋ですからね…本当に相当リフォームをしないと再生できないような物件になってしまっていると思います。
ということでこちらの物件はもうリフォームはせず、売却してしまおうかなと考えています。
こちらで解体して土地として売却するのか、それとも買い手が現れた段階で相談して、少し安くする代わりに買主に解体してもらうのか…どちらになるかは分かりませんが、
ここからリフォームをしてまた賃貸、というよりも解体の方が安く済む気がしますね。
本当であれば裁判を起こして強制退去をしてもらわなければいけないものだったので、100万円ほど費用が浮いて、手間もかからずで良いところに着地出来たのではないかなと思います。不幸中の幸いという感じでしょうか。
優先順位を考えて放っておくというのも、良いものですね。
他のお部屋では訴訟が始まっているところです。まだまだ頑張ります笑
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