不動産を持っていると、自分の物件が事故物件になってしまう、というリスクももちろんあります。
事故物件、というと座間の9人殺人事件みたいな「殺人」だったり「自殺」というような事件性のあるものを想像しがちですが
実は病死でも事故物件に含まれるケースがあるんですね。
今回は入居者が病死してしまった場合の事故物件について、解説いきたいと思います。
単身高齢者の増加に伴い増える病死
最近は単身で住んでいる高齢者がとても多くなってきました。私がこの前投資先として紹介していただいた物件なんかでも、
髭剃りとシェイビングクリームがまだ残っていて、何だか生々しかったです。孤独死が増えているということですね。奥さんや旦那さんが先に亡くなって、その後1人になった人が部屋の中で亡くなる。
このパターンが多いですね。
それに伴い、単独で賃貸を借りている入居者が病死するケースも増えています。
病死なのであれば、事件性はありませんから、事故物件にはならいのでは?と考える方が多いと思いますが
問題は「単身者」であるがゆえに、病死しても発見が遅れてしまう、というところにあるんですね。
周囲に「異臭」で気付かれる、ということも多いのです。
病死してもすぐに発見されて葬儀が行われれば事故物件にはならないことがほとんどですが
発見が遅れて遺体に腐敗が始まってしまうと、事故物件になる可能性が高いのです。
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死亡してから時間経過によって表れる現象
想像すると辛い話にはなってしまいますが、
人が亡くなってから時間が経つとどのようなことが起きるのか、ということを書いていきたいと思います。
- 亡くなった時に体内に残っていた尿や便が排泄され、体液も出てくる
- 腐敗臭が出る
- ハエやダニ、アリなどが寄ってくる
- 体の内臓部分が腐敗するとガス状、液状化し、体が膨張するために目や舌が飛び出したり、皮膚が剥がれてきたりする
遺体の発見が遅れるとこういった現象が起きてしまうため、腐敗臭が他の部屋にまで届いてしまったり、
体液が壁や床に染み込んでしまったりします。
例えば外気温が高い夏場だったり、湿度の高い梅雨の時期なんかに遺体の発見が遅れてしまうと
より早いスピードで遺体が腐敗してしまうので、本格的なクリーニングが必要になります。夏場は孤独死が多い時期でもありますから、リスキーですね。
特殊清掃やリフォームが必要になってくる場合もあるでしょう。
こういった場合は、病死でもほぼ間違いなく事故物件になります。
事故物件になる基準
事故物件になる基準として明確なものは定められていませんが、
クリーニングして部屋が綺麗になったからといって、「告知事項あり」という表記をせず、
何もアナウンスもしないで入居者を決めてしまうと、あとからクレームやトラブルにつながる可能性があります。
例えば腐敗臭が出るほど遺体が発見されなかった場合は、どうしても近所でも噂になってしまいますし、
殺人や自殺ではなく病死という事件性のないものであっても、人が亡くなれば警察がきてしまします。
また事故物件の情報を共有するサイトである「大島てる」なんていうのもありますから、
事故物件を隠したまま新しい入居者を決める、というのはリスクが高いと思います。
後から入居者が知ったらトラブルになるでしょう。
事故物件になるかどうか、というのは「心理的瑕疵があるかどうか」ということがポイントになります。
つまり、住む人にとって、心理的にストレスに感じる過去がそのお部屋にあるかどうか、ということですね。
人の感じ方はそれぞれなのでこれもまた曖昧なところではありますが
病死で発見が遅れた場合は、「告知事項あり」とし、基本的な情報は伝えた上で賃貸契約を結んだ方が、
のちのちのトラブルを避けられるでしょう。
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事故物件を探す人もいる
事故物件として物件を紹介することで損をする、と思っているオーナーも多いと思います。
ただ病死も事故物件に含まれるケースが増えている中、事故物件の数というのは年々増え続けています。
そして、中には事故物件に抵抗がない人や、「事故物件を最初から探している」というような人までいるんですね。
事故物件でもいいから、少しでも安い物件に住みたい、という人が意外と若い世代には多いんです。
一般的な家賃相場からは少し家賃を値下げしている事故物件もありますが、
病死の場合は事件性もないので、大幅に家賃を下げないと入居者が入りにくくなってしまう、ということでもないです。
というのも、例えば強盗殺人事件があって事故物件になってしまった、というような物件の場合は
もしかしたらその物件自体に問題があるかもしれないですよね。
構造上、防犯体制がしっかりしていなかった、というようなことも考えられるわけです。
犯罪に巻き込まれやすい立地や間取り、というのは確かにありますからね。
ですが病死の場合は物件側に問題があるわけでなく、
あくまで入居者が部屋で亡くなってしまって、遺体発見が遅れたために事故物件になった、ということなので
感情的な面を考えなければ、次の入居者にとってマイナスになることはないのです。
そう考えれば、大きく家賃を下げなくてはいけない、ということでもありませんし
素直に「告知事項あり」と出してしまって、しっかりと入居者に説明を行った上で契約を成立させた方が良い、と言えるでしょう。
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