不動産管理

火災保険は築50年以上でも入れる?相場はどれくらい?

火災保険が年々高くなっていますね。

今年(2024年)の10月にはまた1割ほど値上げすることが決まっているそうです。

火災保険、10月から約1割値上げ 大手4社、5年で4割上昇(朝日新聞)

火災保険は一括でお支払いした方が安くなるので、いつもそのようにしていますが、火災保険を支払わなければいけない年になると、

こんなに高いの!?嫌だな〜

といつもなっている私です笑

日本は災害大国であるというのもあり、

予期せぬ大きな地震や災害に対して、保険料が追いついていない、というのが実際のところのようです。

災害が増えれば増えるほど、保険料が上がっていくというわけですね。

基本は掛け捨てですから、何も起こらなければ火災保険として支払ったお金は保険会社の利益となるわけで、それらが「何かが起こってしまった物件」の保証金として充てられたりしているということになります。

さらに保険会社の利益も捻出しないと保険会社が潰れてしまうので、そこはきちんと利益を出してもらわないとですね。

その収支が、災害が続きすぎて崩れてきてしまっている、ということなんだと思います。

保険料を値上げすれば保険加入者も減ってしまう可能性もあるわけで、本来であれば保険会社も値上げをしたいと思っているわけではない部分もあると思います。

そこがまた難しいところですね。

詳しくは別記事でも解説していますので、ぜひそちらも読んでみてください。

火災保険の値上げ!?その理由と知っておきたい知識 今年(2022年)の10月から火災保険が値上げされることをご存知でしょうか? まだ確定というわけではないのですが、ほぼ確定と思っ...

築50年以上の物件は火災保険に加入できない!?

さて、その火災保険でさらに困るのが、築古物件の扱いです。

考えてみたら当然の話ではあるのですが、火災保険は築年数が古くなればなるほど高くなります。

どうしても築年数が古ければ、それだけ災害や突発的なアクシデントに弱くなり、保険を利用する頻度が上がるだろうから、保険料も高くしますね、とそういうことなわけです。

最近では築40年〜50年以上の不動産は加入できない、という火災保険も出てきました。

ざっと築古物件への対応を各保険会社ごとにまとめてみると以下のようになっています。

  • 東京海上日動…築50年制限あり(2023年5月以降戸建ての審査を代理店ではなく自社で行っている)
  • 損保ジャパン…築40年制限あり(2023年7月から築40年以上の物件は契約引き受け基準が厳しくなった)
  • あいおいニッセイ…築15年制限あり(築15年以上の物件は免責金額を設定)
  • ソニー損保1980年以前契約不可
  • ジェイアイ傷害…築20年制限あり、築40年契約不可
  • 日新火災…築40年契約不可

保険会社によって加入条件が異なりますが、どの保険会社も築40年を超えてくるとなかなか厳しくなってくるということがよくわかりますね。

実は私も最初は不動産投資を築古戸建てから始めたというのもあり、

いまだにいくつか築古戸建てを所有しているのですが、こういった物件の火災保険は悩みどころです。

長く契約できたとしても、途中で売却したくなることもあるでしょうしね。

ちょうど最近、築古戸建てを1つ売却したところでした。

【実録】築古戸建てを1万円で売却成功! タイトルを読まれて、 え、1万円で売却したの?それ成功じゃなくて失敗では… と思われた方もいらっしゃるでしょう。 ...

築50年以上の物件だと火災保険に加入できないということはないのですが、保険会社は限られてきますし、制限がつくところが多い、ということになります。

築古に関しては特に相場というものがなく、条件によって値段が変わりますので、保険会社のツールを使って見積もりを取るのが一番良いと思います。

保険スクエアbang!など火災保険の一括比較見積もりをしてくれるサービスなどを利用してみましょう。

築古物件が嫌がられる理由

保険会社にとって、もちろん築古物件は保険請求が多くなりがちだから…という面もデメリットになるのですが、それ以外にも、

  • 新しい被害と古い被害の区別が難しい
  • 保険加入前に現場確認をすることができず、詐欺被害が起きやすい

というデメリットがあります。

それぞれ少し解説してみたいと思います。

新しい被害と古い被害の区別が難しい

基本的に火災保険というのは、予期せぬ自然災害でこうむった損害を補償するための保険です。

そのため経年劣化による損失というのは補償対象にはなりません。

また、自然災害によってこうむった損害を補償するためには、すぐに保険請求をする必要があり、損害を被ってから日にちがあいてしまったものは補償対象としていません。

保険会社側で「被害をこうむってから○日までに請求されないものは補償しない」といったルールがあるはずです。

ですが築古物件の場合は、そもそも建物も経年劣化でかなり傷んでいるので、どの損害がいつできたものなのか、ということをなかなか判断しにくいのです。

そうなることによって、本来払わなくて良いはずの保証金を保険会社が出さなくてはいけなくなる、ということが増えるわけです。

正直その塩梅というのは本当に難しいですよね。

保険で直せるものはみんな保険で直したいというのが正直なところだと思いますので。

関連記事:築浅と築古、投資するならどっちが良いのか問題

古い家は詐欺被害が起きやすい

火災保険に加入する前に現場確認をしないままだと、すでに損害が発生しているのに後から保険に入って保険請求をしたり、

既存の損害を新しい被害だとして請求する詐欺が起こりやすくなります。

そういった意味でも、保険会社からすると築古は扱いが難しいのです。

関連記事:地震保険に入らない理由とは?

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