不動産投資の基礎知識

投資用マンションの建て替えは儲かるのか?

建物区分所有法の改正案により、

マンションの建て替えの決議では、所有者の5分の4の賛成が必要とされていましたが、

条件を満たせば4分の3でも認められるよう、要件が緩和されるよう要綱案まとまったそうです。(2024年1月16日招集の通常国会)

簡単に言えば、マンションの所有者のより少ない割合の賛成でマンション建て替えができるようになるかも、ということですね。

日本では高度経済成長期(1955年頃から1973年頃)に一斉に色々なものが発展したため、

そこからちょうど50年ほど経った今、また一斉に色々なものが老朽化してきているという問題があります。

ちょうど建物や施設などが悪くなり始めるのが50年前後くらいなんだそうで、

確かに他の国と比べると日本はかなり短期間で国が成長していった節がありますので、そういった弊害も出てくるんだなぁと思います。

建て替えの要件緩和によって、これからマンションの建て替えが増えていくかもしれません。

では、区分マンションを投資用として持っている人たちにとって、それは儲かる話なのか?というところはやっぱり重要ですよね笑

私もいくつか区分マンションを所有していますので、少し調べてみました。

建て替えの要件緩和について

ちなみに「建物区分所有法」の改正の要綱案では、

マンションを取り壊す場合において、所有者全員の合意から4分の3以上の賛成に緩和され、

建て替えでは所有者の5分の4の賛成が必要とするも、次の3つの要件のいずれかを満たす場合は4分の3の賛成に引き下げるとしています。

  1. 地震や火災への安全性が不足している場合
  2. 外壁などの落下の危険性がある場合
  3. バリアフリーの基準を満たしていない場合

特に築40年〜50年ほどになってきているような区分マンションでは、住人が高齢化しているケースも多いです。

そうなってくると、理事会が成り立っていないようなこともあり、そういう場合は要件が緩和されることで建て替えが増えるかもしれない、ということですね。

ただ、建て替えをするにはやはり相当の資金が必要になります。

建て替えをしたくても、採算がとれる立地条件なのか。ここがポイントとなってくるでしょう。

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実際には建て替え前に売却する人が多い

マンションの建て替えをすれば必ず儲かるというわけでもありません。

昔は建築工事費や人件費が安かったし、都心でもまだまだ土地が余っていたようなところもあって、

建て替え前よりも立て替えた後の方が資産価値が大きくアップすることが多かったようですが、

今は建築工事費も年々高騰していますし、建て替えにかかる費用が増しています。

また、建て替えの間は家賃収入も得られないので、大きなマイナスが生じます。

入居者が居る場合は退去もお願いしなくてはいけないので、退去費用をいくらか負担しなくてはいけない可能性もあります。

そうなってくると、建て替え後の資産価値アップを狙うよりも、建て替え前に売却をしてしまおう、と考える人が実際には多いようなんですね。

建て替えともなると大体2年ほどは期間がかかりますので、2年間家賃が入らなくても所有し続けよう、と考える人が少ないようです。

もちろん、2年分の家賃収入が入らず、建て替え費用もかかる、となってきても、立地条件がよく、それ以上に儲かるかもしれないという判断ができる場合は、所有し続けるのもありでしょう。

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建て替えて得する物件

建て替えの内容によっては、建て替え前の物件よりも得をする場合ももちろんあります。

たとえば建て替え前に容積率に余剰があって、建て替え前よりも大きな建物になるケースです。

この場合は総販売額が増えるので、一戸あたりの価値も上がることになります。

建物の規模が1.5倍以上くらいになれば、かなり資産価値も上がるかもしれません。

さらに物件取得時よりもエリアの再開発などが進んでおり、すでに資産価値が上がっているような物件に関しては、建て替えを行うことによってよりプラスになるでしょう。

建て替えなどの考えを抜きにしても、やはり不動産投資をする時、「良いエリアで購入する」ということがとても重要な気がしています。

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マンション建て替えにはザッといくらくらいかかる?

マンション所有者にかかる負担額は、マンションの規模などの様々な条件によりますが、

一戸あたり1,000万円〜2,000万円が平均とされています。

この金額には以下のようなものが含まれます。

  • 解体費用
  • 建設費用
  • 専門家に支払う調査費用
  • 設計費用
  • 事務経費
  • 仮住まい費用

解体費用の目安は一坪あたり5〜8万円ほどで、

建築費用は鉄筋コンクリート造の場合で一坪あたり100万円ほどが目安となります。

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