東北エリア、北海道エリアを中心にアパート投資を行なっているのですが、
雪が多く降るエリアでの投資で困るのが凍害(とうがい)です。
今まで持っていた物件で寒冷地だからこそ困ったトラブルと言えば、気温が一気に下がってしまって水道管が破裂したり…
除雪をするだけに40万円もかかってしまったり…
自分自身が東京に住んでいるのもあって、あまり想像していなかったトラブルみたいなのが多いです。
地方だとかなり中古物件は安く購入できて、利回りも20%前後あるものが多く、魅力的な物件は多いのですが、
寒冷地特有の予想外の出費が多いと、利回りも結構影響してくるように思いますね。
さて、今回ご紹介する凍害は、コンクリートの壁に起こりやすい症状です。
コンクリートに含まれる水分が、寒さのせいで凍ったり溶けたりを繰り返すことで膨張し、
コンクリートの表面が膨らんで破裂して剥がれる、といったことが起きます。
実際の物件の写真などをお見せしながら解説してみたいと思います。
軒天の凍害
今回は管理をお願いしている管理会社さんが、業者さんの見積もりを送ってくださったのですが、
修繕するべきところを写真付きで資料でまとめて下さっていました。
すごくマメにまとめて下さってますね…!(とはいえ、近々で修繕をしなくてはいけないトラブル箇所があるわけではないのですが)
軒天(のきてん)というのは、屋根の軒先の裏側にある天井のことを言います。
軒天ボードという板を取り受ける箇所なのですが、
写真ではこの軒天部分の端の方が剥がれて落ちていますね。
どうしても軒先は建物から突き出している部分なので、雨風にさらされやすくなる箇所です。
軒先の表側の部分から風の影響もあったりして雨が中の方に入り込んできてしまうんですね。
そのため軒天は割と雨染みがあったり、剥がれてきてしまっている建物は多いです。
物件を購入する時に見る部分でもあります。
劣化しやすい部分ですが、それを放置しているとそこに雨がさらに侵入してきてしまって、腐食の原因にはなりますので、激しく劣化している場合は修繕も検討した方が良いです。
軒天部分が完全に木で出来ている物件なんかは、剥がれ落ちてきてしまう、ということもあるので注意が必要です。
剥がれ落ちてきて穴が開いていたりすると、そこから鳥やネズミなどが侵入したりすることもあるようです。
外壁の凍害
外壁の下の部分が凍害によって剥がれてきてしまっていますね。
これは明らかに凍害だとわかる良い写真です。
コンクリートの中の水分によって内側が膨れ、外壁塗装部分が破れてしまっている感じですね。
外壁コーナー部分にも亀裂が入ってしまっています。
現状何かが起きているわけではないので、すぐに修繕はしなくても良いかなと考えていますが、
ひび割れているところに水分が入ってしまうと急速に劣化が進んでしまうこともありますので、慎重に見守りたいと思います。
関連記事:外壁チェックは何を見ればいい?物件内見時に自分でできる方法
実際に来ていた修繕の金額
これらの診断と見積書は依頼はしていなかったのですが、管理会社の方から送ってくださったものになります。
見積もりはなかなかの金額でした笑
うーん!436万円!
もちろん凍害による劣化の部分以外にも色々出ていたので、
それら全てを合計した見積もりにはなります。
中規模のアパートではありますので、それくらいの修繕費がかかるシーンもあるかとは思いますが、
まだ購入して2年経たないくらいだった気がしますので、このタイミングでの修繕はちょっと考えられません…
それぞれの明細は上記のような感じです。
先ほどの合計金額を見てからだと軒天単体は安く感じますね笑
しかし外壁の修繕は工程が色々あって、それぞれにそれなりの費用がかかりますし、
注目したいのは仮設の足場!
外壁や屋根の修繕をやるとなるとやはりこれが一番ネックになってきます。
足場を組むだけで76万円ですもんね〜
(あと個人的には仮設トイレってこんなかかるんだ…とも思いました。見積もりに仮設トイレが入っているのはちょっと不思議な感じもしてしまいますが^^;;)
もちろん外壁も屋根も放置しすぎるのは良くないと思うのですが、
気になるたびにこれをやっていては事業として成り立ちません。
修繕履歴なども確認しつつ、10〜15年に一回くらいが大規模修繕の目安になるかと思います。
寒冷地に関しては少し劣化も早い部分があるかとは思いますが、
修繕をやるタイミングというのは慎重に考えないと、かなり利回りに影響が出てきますね。
写真だとどうしても悪い箇所ばかりがクローズアップされてしまうので、
気になったら自分でも定期的に物件を見に行くことも大事かなと思います。
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